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516. 霜降るフローニンゲンとクネン先生とのミーティング


11月の第一週目だというのに、最低気温がマイナスの日が出現し始めた。なんと驚いたことに、明後日はの天気予報には雪マークが付いている・・・。昨年のこの時期は、東京で生活をしており、まだ冬用のコートを羽織る必要などなかったと記憶している。

そして、一昨年のこの時期は、ロサンゼルスで生活をしており、まだ半袖で十分生活ができていたように思う。それが一転して、もうすでにマフラーと手袋を着用し、冬用のコートを羽織る必要があるとは思ってもみないことであった。

今朝は、そのような寒さに包まれたフローニンゲンの街に出て行き、論文アドバイザーのクネン先生の研究室に向かった。今日のミーティングでも、非常に的確な助言を授かることができた。

クネン先生とのミーティングは、文字通り、いつも発見の連続であり、必ず得るものがある。何より、自分の研究を前に進めてくれる推進力の伴った助言を与えてくださることには、いつも非常に感謝している。

クネン先生の研究室に到着し、いつも通り、雑談から会話を始めた。クネン先生は、ちょうど先週が丸々休暇であり、孫のところへ訪問していたそうだ。話を聞くと、孫のモリス君は、どうやら「おじいちゃん “opa”」という言葉を口にすることができるようになったそうなのだが、まだ「おばあちゃん “oma”」という言葉を発することができないそうだ。

“p”と “m”の音を比較すると、発音の難易度が違うのかもしれない、という話で盛り上がった。なんとか「おばあちゃん」と発音できるように教えているのだが、なかなかうまくいかない、とクネン先生は笑いながら述べていた。モリス君が「おばあちゃん」と発音できるようになる日を、私もなぜだかとても楽しみにしている。

本題に入る前に、もう一つ、構造的発達心理学に関する全般的な話をした。ダイナミックシステムアプローチをアイデンティティの発達現象に適用した研究こそがクネン先生の専門であり、それと合わせて、クネン先生は構造的発達心理学にも造詣が深い。

クネン先生は過去、特にロバート・キーガンの理論モデルを引用した論文をいくつか執筆している。キーガンの話をしながら、私がアメリカの思想家ケン・ウィルバーに言及したところ、なんとクネン先生もウィルバーの発達思想に造詣が深いことがわかったのだ。

ウィルバーの発達思想は、非常に洗練された理論体系でありながらも、伝統的なアカデミックの世界ではほとんど相手にされていないのが実情である。ウィルバーの仕事は正当に評価されてしかるべきなのだが、伝統的なアカデミックの世界にいる学者が、どうしてウィルバーの仕事を評価していないのか、という点に関する明確な理由はいくつか存在する。

ここではその理由に触れないが、そのような事情があるため、世間で名の知れた専門ジャーナルに論文を投稿する際に、私もウィルバーの書籍を引用する気にはならない。仮に引用することができそうなのは、 “Integral Psychology (2000)”ぐらいなのではないかと思う。

そうしたことから、伝統的なアカデミックの世界にいるクネン先生が、ウィルバーを正当に評価していることには驚いた。さらに話を聞いてみると、クネン先生は過去に、ウィルバーの “Integral Psychology (2000)”をまさに引用して学術論文を執筆したことがある、ということがわかった。今後、クネン先生との雑談の最中に、ウィルバーについてもより詳しく話をしてみたいと思う。

今日の助言の中で最も参考になったのは、私が検証したい仮説にアプローチをするために、ダイナミックシステムアプローチを適用する以前に、より簡便的な方法があることを教えてもらった。単位数が30の修士論文の中で、理論モデルの構築から数式モデルの構築へ、そしてそこからシミレーションまでを含めるのは、あまりに高度な内容であると指摘を受けた。

もちろん、時間的な制約を乗り越え、ダイナミックシステムアプローチに関する自分の力量が十分であれば、それらを盛り込んだ論文にすることは非常に望ましい、という趣旨のフィードバックを得たのである。そして、ダイナミックシステムアプローチを活用する前に、ある統計手法を活用してみてはどうか、という提案をいただいた。

これは、教師と学習者のインタラクションのタイプ分類を基に、教師のあるインタラクションの仕方が、生徒のどのような反応(行動)につながっているのかを分析するものである。逆に、生徒のある反応が、教師のどのようなインタラクションを引き出しているのかを分析することにも使える。

今日のミーティングまでに、とりあえず考えられるだけのインタラクションの種類を洗い出しておいたので、明日の朝にでも、再度MECEの考え方で分類し直し、3×3のマトリックスか、4×4のマトリックスを作成しておきたい。

そうすれば、インタラクションの種類と頻度に関する統計分析を適用するための下準備が整うことになる。そこから得られた発見事項を基に、理論モデルを組み立て、ダイナミックシステムアプローチへとつなげていきたいと思う。2016/11/11

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