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476. FCフローニンゲンの日本人選手獲得の可能性


一夜明け、昨日の「人財の評価と選定」に関する学術会議を改めて振り返っておきたい。私が最も関心を惹かれたのは、最初のプレゼンターの研究発表内容であった。

テーマは、フローニンゲンの地元のプロサッカーチームであるFCフローニンゲンが、どのように人財の評価と選定を行っているのかについてである。発表の担当者は、フローニンゲン大学でスポーツ科学に関する博士号を取得しているワウター・フレンケンだった。

フレンケンは、FCフローニンゲンに対してスポーツ科学の観点から、選手の育成や評価についてアドバイスを行っているコンサルタントかつ研究者である。彼のプレゼンテーションを聞いていてすぐにわかったのは、FCフローニンゲンが積極的に最先端のスポーツ科学の知見を取り入れている、ということであった。

どうやらこの五年前ぐらいから、FCフローニンゲンはスポーツ科学の知見を選手の育成や評価に取り入れ始めたようである。ユースチームとトップチームとでは、リクルーティング戦略や方法が異なることも面白かったし、最先端技術を駆使した特殊なシミレーション装置を用いた練習などもユニークであった。

FCフローニンゲンは、オランダのトップリーグの中では中堅のチームだが、25名ほどの人物がスカウティングを行っており、オランダ国内のみならず、欧州から優れた選手を発掘しようとしていることもわかった。発達心理学の観点と通じるところがあったのは、各ポジションごとのタスクを明確に言語化し、そうしたタスクを遂行できる選手を戦略的にリクルートしようとするやり方である。

スカウティングを行う者が、ある種の共通言語を持つことによって、チームが理想とする選手を的確に獲得しようとする意図が伝わってきた。FCフローニンゲンは、フローニンゲン大学のスポーツ科学学科や心理学科と共同することによって、単にチームの成績向上のみを目的とするのではなく、選手がプロサッカー選手として生きていく上での環境作りをしっかりと行うことを志しているチームなのだということが伝わってきた。

しかし残念ながら、こうした科学的な試みもまだチームとしての結果にはつながっていないようだった。プレゼンターのフレンケンも苦笑いを述べながら紹介していたが、今季のFCフローニンゲンは、ホームでの5戦を3敗2分けというお世辞にも良い成績とは言えない数字を残している。

おそらく近年では、トップチームのほとんどがスポーツ科学の知見を導入しているため、こうした知見を導入していないチームは遅れをとることになると思うが、導入しているチーム間での差はあまりないのかもしれないとも思った。最先端のスポーツ科学に基づいた非常にユニークな育成手法や選抜手法があれば、また話は少し変わってくると思うので、各チームごとの育成手法や選抜手法の比較について関心を持った。

最後に、もちろんFCフローニンゲンはオランダのクラブであるから、オランダ人の選手を獲得・育成に主眼を当てるのは、ある意味、当然と言えば当然である。ただし私の中では、アヤックスやPSVやフェイエノールトのようなオランダの強豪クラブは、他国からも優秀な選手を獲得し、多様性が確保されたチームである、というイメージがあった。

FCフローニンゲンが中堅クラブであり、財政的にも強豪クラブと差があるのかもしれないが、スカウンティング網を他国に伸ばしているにもかかわらず、それほど他の国の選手がいないことが気になっていた。そのため、発表者のフレンケンにFCフローニンゲンのダイバーシティ戦略のようなものがあるのかどうか質問をしてみた。

フレンケン曰く、クラブとして明確なポリシーはないとのことであった。私は、オランダリーグは日本人選手が活躍し、その後に欧州の他のトップリーグに行く上では素晴らしい場所なのではないかと思っている。なぜなら、リーグのレベルが高すぎるわけでも低すぎるわけでもなく、国の文化としても日本人は比較的順応しやすいのではないかと思っているからだ。

そうした思いから、FCフローニンゲンのリクルーティングに関してもアドバイスをしているフレンケンに対して、日本人選手の獲得について検討するようにお願いをした。この提案には会場からも笑いが起こっていたが、技術的に非常に優れた若い日本人選手の中で、将来ヨーロッパのトップリーグで活躍することを志す選手が増えてきていることは確かだろう。

そのため、私の中ではFCフローニンゲンに対して真剣に検討してもらいたい案であった。フレンケン曰く、過去に韓国人の選手が活躍し、実際に他のビッグチームに移籍したという成功例があるようだ。

オランダ語さえ話せれば、日本人選手にも門戸が広く開かれているということなので、オランダ語の壁は決して低くはないかもしれないが、日本人選手がオランダリーグを真剣に検討するのも悪くないのではないかと思う。

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