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473. 発達的大変動


昨日は、一昨日の精神状態を受けてほとんど文章を書くことができなかった。言葉にできるものや言葉にすべきものが内側から湧き上がってこなかったのだ。自分の内面世界でこのようなことが起こり得るということを知れたのは新たな発見であった。

昨日から一夜明けた今日は、かなり爽快な気分であった。奇しくも今日は自分の誕生日であり、それと何かしらの相関関係があるのかもしれない。もちろん、それは科学的な相関関係ではなく、形而上学的な相関関係である。

今日は書き残しておきたい事柄が多岐にわたっており、なおかつ言葉が自発的に湧き上がってくる状態にあるため、どの順番で何を書き、どのような側面に焦点を当てて、どれだけ深く一つの出来事を書き記しておくべきか悩むところである。とりあえず、時系列的に出来事を振り返り、その出来事の中で自分が考えたことや感じたことを書き留めておくことにする。

今日は早朝の起床と同時に、自分の精神状態が極めて良好であることにすぐに気づいた。昨夜は、夢のない深い眠りの状態が長く続き、そこから覚醒的な自己が新たに生まれ出てきた感触があった。

それはさながら、自分が何かから脱皮したような感触と近いものがあったのである。「脱皮」という喩えは、自分の感覚とかなり合致している。抑鬱的な精神状態は、海外で生活する中で定期的にやってくるものであったとしても、一昨日のような自己の内側へ深く深く潜らせるような種類の精神状態は、これまで滅多に経験したことがないものであったと思う。

「抑鬱的」という言葉を用いると、否定的な含意があるように思えるかもしれないが、私の中では一昨日の経験はかなり肯定的なものであった。というのも、あの精神状態はまさに、自分の内面世界にある深海に気づかせてくれるものであったし、深海の中にある自己のあり様やあり方を示してくれるものであったからだ。

また、こうした深海に到達することの難しさを痛感したのと同時に、深海から再び水面上に浮上して外界を眺めると、以前とは景色が少しばかり異なっていることにも気づいた。この深海には、私たちの自己の本質を示す何かが隠されているように思う。

実際に昨日は、自分の言語機能がうまく働かない状態であったことからも、内面世界の深海は言語を寄せ付けない領域であるかのように思わされた。そして皮肉かつ興味深いのは、深海は言語を寄せ付けないのと同時に、それを見た者に言語でその世界に迫っていくことを促すような働きかけをしてくるのだ。そのような体験をしたのが、一昨日と昨日であった。

このような体験が自分の誕生日の直前に起こったことは何かの縁だろうか。深海から再び外側の世界に戻ってきた今日は、これまでとは少し違う世界が眼前に広がっていた。誕生日というのは、新たに年をひとつ重ねることではなく、もしかしたらそれは、周期的に私たちに生まれ変わることを促すような節目なのかもしれない。

確かに社会的には、私は一つ年を重ねることになったが、自分の内面世界では、新たな自己が生まれ出てくることを実感していたのだ。そこには何かを重ねる感覚というよりも、何かからの脱皮の感覚があり、内側から何かを開かせる感覚があったのだ。

ある発達段階から次の発達段階へ到達するには、確かに多くのものを積み重ねていく必要がある。そして往々にして、次の段階へ到達する直前には大きな壁が立ちはだかっており、大きな跳躍を私たちに要求してくる。

跳躍の一瞬前の状態は、未知なる世界へ飛び込んでいく感覚に等しく、それゆえに精神的にも大きな負荷がかかっている。ダイナミックシステム理論——特にその中にある「カタストロフィ理論」——では、発達プロセスの中に見られる大きな変動現象を「カタストロフィ」と表現することがある。

カタストロフィの元々の意味は、「大変動」や「大きな破滅」である。カタストロフィという言葉が私たちに示すように、発達プロセスの中でそのような大変動が起こる時、それは私たちにとって大きな衝撃を与える。

そして興味深いのは、そうした大変動が起こる直前には、予兆のようなものが見られるのだ。「予兆」と表現したが、実際にはこれは非常に捉えにくい現象である。それを掴む感覚の微細さは、地震を予兆する感覚と似ているかもしれない。

今回私がそのような予兆を感じることができたのは、偶然だったのかもしれない。いずれにせよ、内面世界の地殻に亀裂が入り、その亀裂の中に沈みこんでいく感覚がしたのは確かである。

その感覚は圧迫的であり、重々しいものであったが、こうした予兆と感覚は、発達の直前に起こる現象なのだと体験的に了解した。最後に書き留めておきたいのは、今回の発達現象はマクロなレベルでのものではなく、ミクロかせいぜいメソなレベルでの発達現象であったということだ。

確かに、何かからの脱皮を果たしたのはわかったが、それは世界観が一変してしまうほどのものではなく、マクロなレベルでの発達と位置付けることはできない。2016/10/21

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