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424. 創造性の街フローニンゲン

October 16, 2016

起床直後、両腕に激しい筋肉痛があることに気づいた。それもそのはずで、昨日は大量の書籍と論文が梱包されたダンボールを持ち運びしていたからである。このように普段行わないような力仕事をしてみると、自分の身体のどこが鍛えられておりどこが鍛えられていないのかが一目瞭然である。

 

普段から鍛錬をしている腹筋や背筋に関しては、筋肉痛のようなものは何も感じられないのだが、上腕二頭筋と前腕部分に激しい筋肉痛が残っている。こうした筋肉痛以外にも、昨日の作業が私に変化をもたらしたことがあった。やはり書籍が到着してみると、自分の内側からより献身的に仕事に取り組んでいこうという意欲が湧き上がっていることに気づいた。

 

フローニンゲンの朝はすでに寒くなっているが、起床直後から、その日一日の仕事に取り組むことを大いに楽しみにしている自分がいることに気づく。書籍や論文が到着したことにより、こうした心境の変化がもたらされるとはあまり想定していなかったため、幅と深さを伴った探究活動を一段と推し進めていく上でこうした変化は有り難いことであった。

 

現在、私が住んでいるフローニンゲンという街は「創造性の街(City of Creativity)」と謳っている。街と産学が見事に連携している様子を確かに見て取ることができるが、具体的にどのような形でこの街が創造性を発揮しているのか定かではなかった、というのが正直なところである。

 

しかしながら、街中を歩いたり走ったりする中で、自分のこれまでの認識の枠組みを客観的に捉えてみると、これまで気づかなかったような創造性の発露をこの街に見て取ることができる。これまでの私は経済的・経営的な観点に縛られて、この街の創造性について考えていたようであった。

 

ここでその他の視点、例えば教育的な観点、街の運営に関する政策的・政治的観点などを考慮に入れてみると、この街は確かに斬新かつ人々が価値を見出せるような制度・雰囲気・設備などを持っているように思う。その中でも、教育セクターの果たす役割は大きく、街全体を挙げて教育都市としての地位を築き上げており、世界各国から多くの優秀な研究者や学生を招聘し、それが地域の経済や安全性を高めることにもつながっているように思う。

 

この街が発揮しているそうした創造性は目には見えにくいものなのだが、そこで生活をしている人々には必ず感じられていることなのだと思う。私はこれまで色んな場所で生活をしてきたが、フローニンゲンという街はこれまで住んだ街の中では、自分にとって総合的に一番暮らしやすい場所だと思う。

 

そうした暮らしやすさを支えていたのが、街と産学の連携が生み出す目には見えない創造性のおかげだったのだ、と最近気づくようになった。このようにして生まれた創造性は、この街の時間の流れ方を変えてしまうような力を持ち合わせ、本質的に創造的であるこのリアリティの流れとも見事な調和を成しているように思えるのだ。

 

集合的に生み出された創造性は、人々の生のあり方を規定してしまうような途轍もない力を内包しているのだと思わされた。

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