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407. 所属プログラム内の興味深い研究プロジェクト


先日、論文のスーパーバイザーを務めてくださるサスキア・クネン教授とミーティングをしたのと同様に、私の同僚たちも今週中に各々のスーパーバイザーとミーティングを行うそうだ。フローニンゲン大学は研究大学としての確固たる地位を築いており、ここにいる研究者たちは絶えず実務家と交流を図り、実際に具体的な共同プロジェクトを様々な実務領域で行っていることが伺える。

私が在籍している「タレントディベロップメントと創造性の発達」というプログラムもご多分に漏れず、教育・スポーツ・ビジネス・芸術などの幅広い領域で多様な共同プロジェクトを行っている。今回、修士論文を作成にするにあたり、もちろん学生側が自分の関心に合わせて研究テーマを設定することができる。まさに、私は一年前に計画をしていた研究テーマをここで取り上げるつもりである。

一方、学生には他の選択肢も与えられており、指導教官が推進するプロジェクトに参画する形で修士論文をまとめることもできるのだ。プログラム長のルートから送られてきた共同プロジェクトリストを見ると、実に多彩かつ一見すると羨ましいようなプロジェクトが並んでいる。

例えば、サッカー好きの私にとっては、オランダ一部リーグのFCフローニンゲンと共同して、クラブのユース選手からトップチームに在籍している選手たちのサッカーにおける卓越性を研究するというプロジェクトがある。このプロジェクトに参画するわけでもないので、詳細に紹介してもあまり意味はないと思うのだが、FCフローニンゲンはより科学的な方法でユース世代の選抜を行いたいという想いを持っており、サッカーの才能発掘に関する測定手法の開発と提案を行うことがこのプロジェクトの目的となっている。

その目的に加えて、サッカー選手のレジリエンスをどのように測定し、アスリートに求められるメンタルスキルをどのように高めていくのかに関する提案、サッカー選手に不可欠な状況判断力や試合を読む力をどのように磨いていくのかに関する提案なども含まれている。このプロジェクトに参画する者は、アカデミックの世界から来た部外者としてみなされるのではなく、FCフローニンゲンのチームの一員としてみなされると記載されている。

少なくとも週に一度はFCフローニンゲンのクラブハウスに常駐し、実際の試合を観戦したり、選手のトレーニング風景を観察するなどのデータ収集を行うことになるそうだ・・・。これはサッカー好きの私にとって非常に魅力的なプロジェクトなのだが、オランダ語を話せることが条件に上がっているので最初から私にとっては参画が難しいプロジェクトであった。このプロジェクトにアサインされた同僚にあれこれと研究内容について話を聞いてみたいと思う。

その他の面白いプロジェクトしては、プロの音楽家の心理的特性に関する研究プロジェクトがある。プロの音楽家として大成するためには、そこまでの道のりの中で様々な苦難を乗り越えていかなければならない。そうした苦難を乗り越えるための心理的特質はどのようなものであり、それはどのように育まれ、どのようにそれを支援することができるのかを調査していくことがこのプロジェクトの目的となっている。

また、プロの音楽家と言えども、常に精神や身体を最善の状態に保った中で演奏に取り組めるとは限りらず、演奏中に思わぬミスやアクシンデントに見舞われることがあるだろう。そこでこの研究では、その場の状況を無理にコントロールするのではなく、その場で起こることを純粋に受け入れ、常に今というこの瞬間にとどまるようなマインドフルネスの訓練が、プロの音楽家の卓越性の開発にどのような影響を及ぼすのかについても焦点を当てている。

練習では素晴らしい演奏を披露できても、実際のステージの上ではなかなか本来のパフォーマンスが発揮できないという演奏家は数多くいると思われるため、こうしたマインドフルネスの訓練が演奏家の能力の開発にどのような影響を及ぼすのかは個人的にも大変強い関心がある。

以前、クネン教授と話をしていた時に、「ここでの修士論文プロジェクトは、生徒単独で行うのではなく、研究コミュニティーの中で様々な教授や同僚と共同しながら進められる」ということを聞いていた。実際に、私の主たる指導教官はクネン教授であるが、先日のミーティングで研究内容を説明すると、研究プロセスの中で他の様々な教授の指導を受けることになった。

さらに、指導教官は学生の論文執筆を単に指導するのではなく、論文の共同執筆者にもなりうるということを聞いた。研究者を育成していく上で、実に素晴らしい仕組みがこの大学に存在していると思わされた。

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