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399. 微風と仕事

October 5, 2016

昨日と打って変わり、今日は朝からとても調子がいい。起床した瞬間に、今日は活動的な充実した一日になることが容易に予想された。このような気持ちで窓越しから景色を眺めてみると、木々を揺らす静かな風でさえ活動的なエネルギーを内に秘めていることがたやすく想像されるから不思議である。

 

私たちの感情状態に応じて、世界の見え方が一変することをつくづく思わされた。いずれにせよ、日曜日の朝をこのような気持ちで迎えることができるのは実に幸せである。この幸福感を持ったまま、朝から論文用のデータの整理を少しずつ進めていこうと思う。論文に使用する元のデータが日本語であるため、それを英語に翻訳する作業が必要であり、今日から毎朝少しずつ翻訳作業を進めていくことにした。

 

これまでも実験的にこの翻訳作業に取り掛かっていたのだが、一日にまとめて取り組もうとすると、意外と作業効率が悪いことがわかった。というのも、もともと手元にあるデータは一日で翻訳が終わるような代物ではなく、仮に一日をかけて集中的に行ったとしても一週間ぐらいの時間がかかってしまうのだ。

 

一日に翻訳作業を大量に行うことができたとしても、次の日にまた同じ作業量をこなしていくことは私にとって実に難しいのだ。一日に固めて特定の作業をすると、次の日以降その作業に取り掛かるエネルギーが減退してしまうのである。

 

結果として、エネルギーが回復するまでには数日——下手をすると一週間——を要するため、毎日継続的に少しずつ作業を進めていく方が効率的に仕事をこなすことができると考えている。そのため、今日から毎朝少しずつデータの翻訳作業に取り掛かることにしたのだ。

 

こうした作業をそろそろ始めようと思ったきっかけは、明日の午前中に行われる論文アドバイザーのサスキア・クネン教授とのミーティングである。論文指導に関しては今回が初めてのミーティングとなり、いよいよ本格的に論文執筆に着手し始める時が来たと思ったのだ。また、明日のミーティングに向けても自分なりに幾つかの準備をしておきたいと思う。

 

一つは、以前プログラム長のルートとのミーティングで用いた論文の概略について説明したパワーポイント資料を修正することである。ルートとのミーティング以降、幾つかの新しいアイデアが生まれてきたし、研究方法に関して自分なりにより明瞭になった箇所があるので、その辺りの修正を反映しておきたいと思う。

 

また、クネン教授の主著 “A dynamic systems approach to adolescent development”でも強調されているように、ダイナミックシステムアプローチを活用した研究の出発点は、数式モデルでもデータでもなく、まずは理論モデルなのだ。要するに、発達現象に関して自分が解明したいことは何なのかを明確にし、着目する変数間の関係をまずは概念的なモデルとして表現することが第一のステップなのである。

 

今日の午後は、理論モデルの作成に時間を充てたいと思う。複雑なモデルを構築しようとするのではなく、まずはごく少数の変数を取り出し、それらの変数がどのような関係になっているのかを考えていくつもりである。

 

窓の外に見える木々を揺らす微風は、自分のリズムで木々に風をもたらしている。その結果、私の目にはこうした微風が「美風」と化しているように見えるのだ。目の前を横切ってく微風のように、私も焦らず着実に自分の仕事を進めていきたいと思う。

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