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373. オランダ語による「スピードデート」


今日は第三回目のオランダ語のクラスがあった。早朝の習慣となっている種々の実践の中にオランダ語のシャドーイングを導入しようと思っている。普段の生活を送るだけではオランダ語を聞いたり話したりする機会は少ないため、シャドーイングを行うことを早朝の習慣としたい。英語のシャドーイングの所要時間と同じく、10分を目処にこれから毎日継続させようと思う。

お昼前にクラスが終わり、帰宅しようとしている道すがら、秋を感じさせる柔らかな太陽の光がレイディープ河川を照らしていた。私は橋の上で立ち止まり、柔らかな光の差す方角を見た。そこにはアー・ケルク教会が静かに佇んでいるのが見えた。

このなんとも形容しがたい秋のほのかな朝の空気と太陽を感じながら、私はしばらくアー・ケルク教会を橋の上から眺めていた。11時を知らせる鐘の音が鳴り渡る。私にとってそれは、特定の時刻を告げる音というよりもむしろ、何か別のことを私に告げているような音に聞こえた。

オランダ語のクラスが終わるといつも不思議な感じがするのだ。思考がオランダ語から英語に戻ると、爽快感と共に安心感に包まれる。ぎこちないオランダ語の空間に長くさらされているわけであるから、それは当然かもしれない。

クラスの帰り道は、今日のクラスで習ったオランダ語表現をブツブツとつぶやいていたり、英語で今日のクラスの内容を振り返っている自分がいる。帰宅後には、このように日本語で今日のクラスを振り返るという流れが構築されている。記憶が新しいうちに、今日のクラスの内容を振り返っておきたい。

今日はクラスに到着すると、週末明けのなんとも言えない雰囲気がそこに漂っているのを察知した。それは新しい週が始まることに対する新鮮な気持ちが充満した雰囲気と言ってもいいだろし、これから今週を過ごしていくために気持ちを高めている最中の雰囲気といってもいいだろう。そんな中、ヨーロッパ言語の修士課程に在籍する中国人の友人であるシェンが隣に腰掛けたので、彼に話しかけてみた。

:「やぁ、シェン。週末はどうだった?

シェン:「やぁ、ヨウヘイ。週末?全て勉強に返上だよ(笑)

:「うん、同じだね(笑)

履修コースが少ないとはいえ、自分の関心事項に従って探究を進めていると、休日も関係なく学習を進めている自分がいるのだ。コースの課題図書と参考図書を全て読み終わり、関心の赴くままにコースとは関係のない文献を読み進めていくことが私にとっての何よりの休息であるし、それが至福の時間でもある。分野は違えど、シェンもそうなのだろう。

クラスが始まると、まずはお決まり通り前回の内容の復習からスタートした。前回習った項目の中でも特に重要なのはオランダ語での数の数え方である。教師のリセットが、一人一人順番に数を数えていくエクササイズを提唱し、誰から指名しようかと教室を見渡しているのを確認するや否や、私は「自分に当ててくれ」というアイコンタクトをした。

見事にそれがリセットに伝わり、私は指名され、なんなく数字の「1」を言い終えて、隣のシェンにバトンタッチをした。その後、ロシア人のカッチャが18を言い終えたところで一巡した。

今度は、そこから三つずつ数を足していこう、という提案がリセットからなされ、私の番が再びやってきた。「1」という数字をオランダ語で言い終えた私は、満足げな表情になっており、その後の他のクラスメートの発言など一切聞いていなかった。他の人の発言を聞いていなかったものだから、クラスの人数は17人だったと把握しており——それと同時に、「20」という言いやすい数字を発音したかったということもあり——、勢いに任せて「20」と言った。

リセット:「ん?違うわよ。18+3よ。

:「えっ?カッチャ、いくつって言った?

カッチャ:「18よ(笑)

:「あぁ、そうならば・・・eenentwintig!

リセット:「そうね!

欧州小旅行の出発の日とその道中で誓ったことを私はすっかり忘れていた。欧州では「満足げな表情」を浮かべると必ず足元をすくわれる、ということを。数字の「1」を発音できたことに対していかに自分の中で喜びの感情が湧き上がってきたとしても、勝って兜の緒を締めなければならないのだ。その後、私の顔は新しい言語を学ぶことに伴う充実感から生まれる表情と侍の表情という二つから構成されていた、と思う。

次に簡単な挨拶表現をざっとおさらいしたところで、リセットが何やら教室の中央に歩き始め、椅子を動かし出した。

リセット:「それでは今から、オランダ語による『スピードデート』を行います♪

一同:「何?(笑)

リセット:「これまでのクラスで習った表現を駆使して、お互いに自己紹介をし合いましょう!

見知らぬ男女が短い時間でお互いに自己紹介を繰り返していく活動のことを世間では「スピードデート」と呼んでいることを初めて知り、また一つ新しい語彙が獲得されたと思った。このクラスは中国人のシェン、イタリア人のファブリツィオ、ポルトガル人のフランシスコと私を除き、後は全て女性である。最初に自己紹介をしたのはインド人の女性であり、その後はインドネシア人、ルーマニア人、ロシア人、ギリシャ人、アイルランド人と自己紹介をしていった。二人目のギリシャ人であるイリアーナが最後の相手となった。

イリアーナ:「こんにちは!

:「こんにちは!ヨウヘイです。あなたは?

イリアーナ:「イリアーナです。どこから来たのですか?

:「日本からです。どこからですか?

イリアーナ:「私はギリシャから来ました。

:「おぉ、ギリシャから。では、何語を話しますか?

イリアーナ:「ギリシャ語です。あなたは?

:「日本語です。

実はスピードデートのエクササイズが始まる前に、もう一人のギリシャ人であるアンタから「あなたの年齢は?」という表現をオランダ語で何と言うのかについて教師のリセットに質問があった。この質問が加わったせいで、クラスメートの女性陣はやたらとこの問いを私に投げかけてくるようになった。

クラスメートの女性陣は一様に二十歳前後であり、最初に自己紹介をしたインド人のブハーブナはまだ十代だと思われる。そのためか、向こうから私の年齢について質問をしてきたにもかかわらず、私が実年齢を答えると、私の顔を一瞥し、当惑したような表情を浮かべていたのが実に面白かった。

その次のインドネシア人のレニーも私の年齢を尋ねてきたため、正直に答えると、少し固まっていた——これはオランダ語が出てこないという硬直状態とは何かが違った——。オランダ語で何か質問されたら、「あなたは?( “En jij?”)」と聞き返すことをパターンとして獲得しつつあったが、さすがに相手のお国柄を理解しないまま、女性から年齢を聞かれて「あなたはいくつ?」と聞き返すことを控えていた。

イリアーナ:「何歳ですか?

:「30歳です。

イリアーナ:「えっ、13歳?

:「いや(笑)、30。

イリアーナ:「うわぇ・・・うっそ〜!30歳?信じられない!(英語)

:「うん、30歳(オランダ語)。さっきのアンタも同じような驚きをしてたよ(英語)笑

イリアーナ:「まだその事実を処理中(笑)

イリアーナの驚愕したリアクションを受けたところで、このエクササイズが終了した。それにしても、私の年齢に関してクラスメートの女性陣から受けた一連の反応は何だったのだろうか?英語や日本語であれば、「太陰暦上の実年齢は30歳ですが、ある身体測定手法に基づいた身体年齢は17歳であり、ある心理統計手法に基づいた精神年齢は67歳ぐらいという結果が出ています」と答えることができるのだが、オランダ語ではそれができないもどかしさがある。

他の国籍の人たちから、あるいは一般的に他者から自分の年齢はどのように映っているのか非常に気になるところである。

スピードデートのエクササイズの後は、兄弟姉妹・祖父祖母・甥姪などを表す家族に関する単語を習い、単語の単数系・複数系の変化のさせ方と発音の仕方を習った。今日の内容を復習するとともに、まだ単語の発音規則が掴めていないので、初見の単語でも発音できるように発音のルールを学習したいと思う。

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