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353. 研究内容をまとめながら

September 15, 2016

昨日は、9/7に控えているプログラム長のルートとの面談に備え、研究内容に関するPPT資料を作成していた。研究テーマやその内容をワードやパワーポイントにまとめることを特に要求されたわけではないのだが、PPT資料を見ながら説明した方が分かりやすいだろうと思い、昨日中に説明資料を作成することにした。

 

こうした全体感の分かる資料を作成することは、やはり自分自身の頭の整理につながると感じさせられた。資料を作成しながら、研究で達成したい事柄と研究手法について一歩深めて考える契機になり、そもそもこの研究は当該研究分野の中でどのような位置付けになっているのかを考える契機にも繋がったのだ。

 

この研究で用いる手法は、カート・フィッシャーのダイナミックスキル分析、ダイナミックシステムアプローチの基本的な分析手法であるロジスティック方程式、離散数理手法のセル・オートマトン、ダイナミックネットワーク分析の四つである。自分の手元にある研究データを見ながら、それら四つの研究手法をどのように適用するのかについて改めて資料を作成しながら考えていると、ダイナミックネットワーク分析の適用の仕方のみ明瞭なイメージを描けていないことが判明したのだ。

 

この段階でそれに気づくことができたのは幸運であり、プログラム長のルートはダイナミックネットワーク分析に精通しているため、9/7の面談で是非ともその適用方法に関して質問をしてみようと思う。

 

また資料を作成することによって、研究のプロセスについても再度確認することができ、自分が今どの段階にいるのかも把握することができた。幸運にもすでに十分な研究データが集まっており、あとはそれを研究手法が適用できる状態に整理することが求められる。今日はそれに取り掛かろうと思う。

 

今回の修士論文では、ダイナミックシステムアプローチの種々の手法を活用することに習熟し、これまで先行研究がほとんど無い成人のオンライン学習における動的学習プロセスに新しい知見を加えたい、という思いがある。同時に、この論文を単に学位取得のために執筆するのではなく、必要な修正を加えた上で査読付き論文としてどこかのジャーナルに投稿するという野心的な思いも持っている。

 

実際のところ、成人のオンライン学習という特定の学習形態のみならず、教育全般の研究においても、上記四つのアプローチを複合的に活用した研究は見たことがないので、真剣かつ緻密に研究を進めればどこかのジャーナルに投稿できる可能性も高まるだろう、と思っている。

 

さらに私が目論んでいるのは、複雑性科学と発達科学の架橋をより促進するために、メタ理論的あるいは哲学的な問題についても論文の中で言及したいと考えている。本来、ダイナミックシステム理論にまつわる哲学的諸問題に言及できるのは、この道で長らく研究を進めてきた一線級の科学者か科学哲学に精通した哲学者などだろう。

 

実際に、複雑性科学と発達科学の架橋に長らく従事していたポール・ヴァン・ギアートや私の論文アドバイザーであるサスキア・クネンなどが科学者の立場としてそうした哲学的諸問題を議論している。また、科学哲学などに習熟した哲学者も同様にそれらの議論を展開している。

 

こうした状況を見ると、科学者としての経験も浅く、体系的な哲学教育すら受けていない私がそうした哲学的諸問題に挑んでいこうとするのは時期尚早なのかもしれないが、気になる哲学的な問題がいくつか存在するため、ここは臆することなく踏み込んでいくべきだと判断した。

 

研究内容に関するPPT資料を作成しながら上記のようなことを考えさせられたのだ。こうしたPPT資料は、まさに知性や能力を涵養する「足場固め(scaffolding)」の役割を果たすとつくづく思った次第である。

 

研究内容の構造が明るみになることによって、その構造の内容を埋めようとする動きや構造間の齟齬を解消しようとするような動きが自然に芽生えるのだ。こんなところにも発達支援の手法を一つ見つけることができるだろう。

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