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147. 意識の成長・発達に必要なもの:ジョージ・オーウェルの言葉より

August 11, 2015

成人以降の知性発達理論に関する講演会や講義をさせていただくと、頻繁に「意識の成長・発達を促す方法はどんなものがありますか?」という質問を受けます。正直なところ、人間の意識という内面宇宙はあまりに広大であり、物理宇宙と同じように無限の広がりを持っているため、何か一つ特定の手法を教示することは難しいです。

 

しかし、これまであまり公の場で語っていないのですが、人間の内面宇宙を規定するのは「言語」と「身体」だと考えています。つまり、言語と身体へどのように働きかけ、それらの成長・発達を促していくかが、意識の成長・発達の鍵を握ります。

 

まず言語に関して、皆さんは日頃の生活においてどのような質の言語に触れているでしょうか?残念ながら現代の日本社会おいて、重厚かつ精巧な日本語をお目にする機会というのは少なくなってきています。

 

さらには、一般的なビジネスパーソンが熱心に読んでいるビジネス書や自己啓発書の類で使用される日本語や情報の質は、極めて低いと言わざるを得ません。特定分野の専門書であれば話は変わってきますが、一般的に、ビジネス書や自己啓発書で構築されている情報空間に浸っていては、それより高次の情報空間を築き上げることはほとんど不可能だと思います。

 

人間の知性が成長・発達をしていくと、意識という内面宇宙の中により複雑かつ抽象的な情報空間が出来上がります。要するに、意識の進化には知性の成長・発達が不可欠であり、知性の成長・発達を実現させていくためには、質的に高度な情報と向き合い、格闘していく必要があります。

 

「1984」の作者であるイギリス人作家ジョージ・オーウェルは「ずさんな言語は、ずさんな思考を招く」と述べていますが、まさにその通りだと思います。ずさんな言語に触れていると、自ら発する言語もずさんなものになり、それがずさんな思考を招きます。ずさんな思考に陥るということは、すなわち、知性の成長・発達を阻害することにつながります。

 

ジョージ・オーウェルの言葉に付け加えるならば、「ずさんな身体は、ずさんな思考を招く」ということも指摘しておきたいです。若干言葉尻を強くすると、「たるんだ身体は、たるんだ思考を招く」と言えます。

 

つまり、物理的な身体の鍛錬を怠り、身体意識が十分に養われていなければ、知性の成長・発達が必ずどこかで停滞するのではないかと思っています。

 

私自身がヨガのインストラクター資格を取得し、長らくヨガを実践しているという経験と合気道や太極拳を実践しているという経験から、上記の言葉は相当妥当性が高いのではと推測しています。

 

なぜなら、思考空間が成長・発達し、扱う情報内容がますます複雑化・抽象化されてくると、そうした情報を扱うのに耐えうるだけの微細な身体意識が不可欠だと考えているからです。

 

私たちは頭で思考しているように思われがちですが、実際には全身で思考し、さらに抽象的な情報を扱うようになればなるほど、微細な身体(サトルボディやコーザルボディ)などを総動員して高度な情報と対峙することが要求されます。

 

ケン・ウィルバーのインテグラル理論を母体とした統合的な実践「インテグラル・ライフ・プラクティス」で提唱されているように、少なくとも一つボディの実践を取りれる必要性があると再認識しています。結論を述べると、意識の成長・発達には、少なくとも「言語の鍛錬」と「身体の鍛錬」が要求されると思います。

 

【追記】

 

ただし、上記の文章を読んで、言語の鍛錬と身体の鍛錬を始めようと即座に思われた方は、もしかしたら「成長は善である」という物語に絡め取られている可能性があることに注意が必要です。

 

「意識の成長・発達論」という物語に対して、透徹した醒めた目を持ちながら言語と身体の鍛錬に励んでいただければと思います。

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