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129. カート・レヴィンの功績「グループダイナミクス」の提唱


前回の記事で、カート・レヴィンの生い立ちや経歴を簡単に紹介しました。レヴィンは、個人や集団の心理に影響を与える心理場の分析やMIT在籍時代に初めて「アクション・リサーチ」という言葉を提唱したり、心理学や組織行動論に様々な貢献をしています。今回の記事は、レヴィンが果たした多様な貢献のうち、グループダイナミクスに焦点を絞って紹介したいと思います。

レヴィンは1947年の論文「Frontiers in Group Dynamics」で初めて「グループダイナミクス」という言葉を提唱したと言われています。グループダイナミクスというのは、個人や集団が変わりゆく状況に応じてどのように反応し、振舞っていくかを示す概念です。

レヴィンが活動をしていた当時において、集団心理や集団行動というのは掴みどころのない現象とみなされ、多くの心理学者はそれらを蔑ろにする傾向がありました。より具体的には、当時の心理学者は集団行動を単に構成メンバーの行動の総和にすぎないとみなしていたのです。

それに対して、レヴィンは「B = ƒ(P, E)」方程式を提唱し、集団心理や集団行動は単に個人の心理や行動の総和ではないことを説明しました。こうした考え方の大元はレヴィンがゲシュタルト心理学を探求していたことと関係しています。

ゲシュタルト心理学における「全体は部分の総和ではない」という言明に基づき、レヴィンは集団心理や集団行動のメカニズムを解き明かしていきました。集団は一つの動的かつ統一的なシステムであり、そうしたシステムの挙動は構成メンバーの挙動を別々に分析していては理解不能だという考え方をレヴィンは強く保持していました。

レヴィンがB = ƒ(P, E)という方程式を提唱したことによって、当初懐疑的だった多くの心理学者は集団心理や集団行動のメカニズムを再考し始め、グループダイナミクスという土壌が徐々に育っていきました。

当時の集団心理や集団行動に対する考え方を転換させたレヴィンの功績は、ニュートン力学では説明が困難であった現象をアインシュタインがE = mc2という方程式を提唱することによって説明した功績と同じぐらいの影響度があると思います。実際に、レヴィンの功績のおかげで、組織行動の領域や臨床心理の領域でグループダイナミクスの研究が今もなお継続的に進められています。

レヴィンのグループダイナミクスの功績が如実に現れている分野は社会心理学や集団コミュニケーションの領域です。より具体的には、組織におけるマネジメントスタイルや集団思考にその功績が現れています。

特にレヴィンは、個人の思考が集団と関係し合うことによってどのように強められたり弱められたりするのかに関心を持っていました。個人の心理が集団によってどのように左右されるのかに関する研究は、「集団思考」という現象を探求する上でも鍵を握るので、今後の記事を通してそのあたりを説明したいと思います。

【追記:タヴィストック研究所について】

レヴィンが関与していたタヴィストック研究所は今もなお存在している研究機関ですが、その実態はなかなか掴み難いものがあります。もともとタヴィストック研究所は精神分析学を用いて人間行動を解明することを目的に、1947年にカナダの経営学者エリオット・ジャックスらによって英国に設立された研究機関です。

しかし、実態はCIAなどと提携し、英国・米国の覇権を確固たるものとするために、大衆プロパガンダや洗脳に関する理論的・技術的研究を行っている陰謀機関とも言われています。

実際に、ヒッピー文化を生み出したビートルズもタヴィストック研究所の後押しによって世に送り出されたともささやかれています。具体的には、タヴィストック研究所で開発された洗脳用のサブリミナル技術がビートルズの曲のリズム、ビート、歌詞盛り込まれているというのを聞いたことがあります。

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