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127.「DiscoTests」の中身:2020年度大学入試改革を見据えて


これまでの記事で紹介してきたように、DiscoTestsは知識の絶対量を測定するものではなく知識の活用力を測定することに主眼が当てられています。さらに、生徒一人一人の学習・成長プロセスに応じた学習提案を実現することを目的にしています。

一見すると、DiscoTestsは生徒の学習を支援し、生徒がどこまで学習単元を理解しているかを随時測定していく形成的テスト(formative assessments)に過ぎないように見えるかもしれません。

表面上は形成的テストのように見えるかもしれませんが、DiscoTestsはアセスメントに対する新たなアプローチを複数採用しています。例えば、認知的発達心理学の理論モデルのみならず、学習科学、心理統計、教育哲学の叡智を統合している点です。

DiscoTestsは教育評価の新しいアセスメント手法であり、個人の学習ニーズや関心に焦点を当てながらカリキュラムを組み立てるために活用することを目的にしています。この目的を達成するために、レクティカは新しい標準検査手法の開発に着手したという経緯があります。

すべての学習者にとって有益なアセスメントを構築することを目指して、DiscoTestsで提供される全てのアセスメントにはアセスメントを受けることそのものが学習経験になるような配慮がなされています。

また、アセスメント実施側の教師には生徒の知識活用力に関する詳細な情報とアセスメント結果がどのように学習目標・カリキュラム目標と関係しているのかという情報がフィードバックされます。

さらに、DiscoTestsは実証的なデータに基づいたカリキュラムデザインを可能にし、教育政策者には現場の教師とカリキュラム開発に資する情報を提供してくれます。こうした応用可能性と共に、認知的発達心理学を探求している私にとって興味深いのは、全てのDiscoTestsには学習者が特定の学習項目(学習領域の概念など)をどのように習得していくのかという認知的発達心理学の研究成果が盛り込まれていることです。

ここまでのところを要約すると、DiscoTestsは自由記述形式のアセスメント手法であり、認知的発達心理学の実証成果に基づいて構築され、学習者のみならず教育者に対しても有益な情報をフィードバックすることを可能にするアセスメント手法です。

さらに、全てのDiscoTestsは心理統計的に精緻な測定メカニズムを持っており、カート・フィッシャーのダイナミック・スキル理論を応用することによって、幅広い学習項目を一つの尺度で統一して評価できる点も特徴的です。

統一の尺度で測定されたスコアは、生徒の現在の知識活用力を示すだけではなく、これまでと比較して生徒がどのように成長・発達してきたのかという軌跡を明らかにすることも可能とし、さらにその次に習得していくことが何なのかも明らかにしてくれるアセスメント手法です。

現在米国ではDiscoTestsをコンピューター上で受けることができ、さらに評価もコンピューター上で行われるため、大規模なアセスメントの実施が可能になっています。

日本の教育界においては統一的な尺度に基づいたアセスメントが開発されていないのではないかという危惧を持つともに、そもそもアセスメントに対する教育関係者の理解度も十分ではなく、アセスメントを大規模に展開する土壌も整備されていないのではないかと思っています。

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