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122.発達測定と大森哲学:語りに潜む固有の意味世界


現在、欧米に起源を持つ意識進化の発達理論を日本の偉大な思想家・哲学者の枠組みを通して見直すということを行っています。

具体的には、「ことだま論」「立ち現れ一元論」で知られる大森荘蔵、イスラム思想や人間の意識の本質を探求した井筒俊彦、主観と客観の二分法的認識問題を直接に与えられた純粋経験に解決の糸口を見出し、思惟や実在に関する思索を行った西田幾多郎、日本的霊性を探求し、「近代における日本最大の仏教者」と評される鈴木大拙などの思想的枠組みを通じて、欧米発の発達理論というものを再解釈し、再構築するという探求をしています。

数々の優れた日本人の思想家の書物を読みながら、特に大森荘蔵が述べる論理と世界との関係についての洞察は、発達測定を行う者にとって深い気づきを与えてくれます。

私たちが生きる物理世界は、そもそもただ一つしかありません。しかし、私たちの意味世界は無数に存在し、実際に、何かの現象を語る際には無数の語り方が存在します。つまり、私たち一人一人は固有の意味世界を構築しており、そこから様々な観点を用いて世界を眺め、多様な方法で世界を語るのです。

ここで興味深いのは、大森が指摘するように、世界の語り方がどれだけ無数にあろうとも、それら全てを貫徹しているものが存在しています。それが論理と呼ばれるものです。すなわち、論理は私たちの語りの中に常に内在しているものなのです。

意識の構造的差異を明らかにする仕事に従事する発達測定者が行っているのは、まさにそうした語りの中に潜む論理の構造的差異を見ていることに他なりません。

つまり、発達測定者は、言葉(言語)に埋め込まれた、あるいは言語を用いた語りに対して不可避的に付随する論理の構造を観察することによって、他者がどのように意味世界を構築し、世界を了見しているのかを分析するのです。

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