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94. マイケル・コモンズの発達測定スコアリング事例:レベル10(形式論理段階)


今回焦点を当てる段階は、コモンズのモデルで言うレベル10(形式論理段階)です。このレベルは、ロバート・キーガンの発達モデルでは段階3/4に対応し、慣習的段階と自己著述段階の中間に位置します。最初に、レベル10の行動論理を簡単に紹介したいと思います。

・一つの問題に対して、複数の視点を取って議論することができる。

・問題の様々な側面を考慮することができ始める。

・問題それ自体が完全に構築されているものではなく、不完全に構築されているという認識を持つことができる。

・意見や行動などの選択肢は、文脈の影響に依存する相対的なものであると認識し始める。

・文脈を考慮し、優先順位や目標を設定し始める。

・概して、異なる解決策を統合することはない。

以上が、レベル10の一般的な行動論理であり、それでは実際の事例をいくつか見ていきたいと思います。

事例1:レベル10

A:「その選択肢は、当時の彼女にとって正しいものだったと思います。恐らく彼女はこのように言うでしょう『私はキャリアを捨てたけれど、そうしたことについて後悔はないです。こうやって夫や子供に尽くしているので、実際に生活が順調にいき、キャリアを優先する必要はなかったと思います。』これは個人の考え方によると思います。とういうのも、一生主婦でいることに何の後悔もない人もいれば、一生を主婦として過ごすことに満足できない人もいるからです。Bさんの友達は、Bさんに対して、キャリアに邁進することは一長一短であると述べるでしょう。もしキャリアに邁進しすぎると、孤独が訪れるでしょう。夫もいなく、子供もいなく、家に帰れば独りぼっちです。もし自分のキャリアに邁進しすぎることがなければ、違った人生になっていただろうと後から思うことでしょう。もし、100%ではなく、50%を自分のキャリアに注ぎ、50%を家庭に注いでいたら、違った人生になっていたでしょう。」

分析

まず、「私はキャリアを捨てたけれど、そうしたことについて後悔はないです。こうやって夫や子供に尽くしているので、実際に生活が順調にいき、キャリアを優先する必要はなかったと思います。」という発言に着目してみましょう。特にこの発話の論理構造に着目すると、「なぜなら〜(夫や子供に尽くしているので)」「実際に〜(生活が順調である)」という論理構造は、形式論理思考の典型です。

さらに、「これは個人の考え方によると思います。とういうのも、一生主婦でいることに何の後悔もない人もいれば、一生を主婦として過ごすことに満足できない人もいるからです。」という発言は、多様な視点を認めた主張です。

事例2:レベル10

B:「恐らく彼女は、どちらか一方を捨てるのではなく、仕事と家庭のバランスを取ることができただろうと考えています。確かなことではないですが、その仕事は彼女をそれほど動機付けていたわけではないので、彼女は家庭に専念したのだと思います。もし彼女が自分の仕事を気にいっていたとしても、彼女ならうまく家庭と仕事を両立していたと思います。」

分析

Bさんは、多様な因果関係を認識しています。このように、多様な因果関係を認識しながら主張を構築することは、レベル10の特徴の一つです。しかし、それらの因果関係は互いに結びつけられているわけではなく、単にある特定の文脈の中で語られているだけなので、レベル11には至らず、移行期にあると言えます。

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