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80. マリア・モンテッソーリの教育思想:シュタイナー教育との共通点


これまでシュタイナー教育について概観を見てきましたが、モンテッソーリ教育もオルタナティブ教育の代表格であり、今回の記事はマリア・モンテッソーリの教育思想について見ていきたいと思います。

モンテッソーリ教育に関して様々な文献を調査してみると、もちろんシュタイナー教育と異なる思想や教育方法を発見することができますが、両者の間に存在する共通点も同時に見出すことができます。

大きな共通点の一つは、シュタイナー教育もモンテッソーリ教育も共に、子供の教育を彼らの全人格的な発達という大きな視点で捉えていることです。発達心理学者のロバート・キーガンは、人間は意味を探求し、意味を構築する生き物であると述べ、そうした意味構築活動の源泉に発達を実現させる「生命力」を見出しています。

重要なことは、発達を発露させる生命力というのは各人で異なるということです。発達の媒介となる生命力は、発達という一生涯をかけた試みの内に、その時々の発達段階に応じて質と量あるいは種類が変化します。モンテッソーリもこうした発達思想を共有しており、実際に、最適な発達を支援するためには、各々の発達段階に応じた要求事項を満たすために十分な環境設定をしなければならないと述べています。

こうした発想は、モンテッソーリ教育の中に見られる学習環境への配慮に見て取れます。子供たちが次の発達段階へ到達するための適切な場を提供し、結果としてそうした場は、子供たち自身が率先して自らの意味構築活動に営むことを手助けする拠り所となっています。

子供たちは環境と向き合うことにより、環境への働きかけをおこないます。例えば、子供たちは積み木を重ねるために自分の手を動かします。この時、自分の手は自分の意思に基づいて動き、こうした作業を通じて、子供たちは環境と向き合いながら心と身体を含む自分の存在自身を確かめ、そこに新たな意味を少しずつ付与していきます。

つまり、子供たちは環境と向き合い、環境への働きかけをおこなうのと同時に、そうした作業の中に自分の存在を発見し、そこに新たな存在意義を築き上げていきます。こうした思想に加え、モンテッソーリは、人間を心と身体の統一体とみなし、決して両者を切り分けるような教育実践をおこないませんでした。

シュタイナー教育においても、身体感覚を重視する思想が見られ、この点に関してはモンテッソーリ教育と相通じるものがあります。

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