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76. ルドルフ・シュタイナーの教育思想:学習と複数の身体意識構造


前回の記事は、シュタイナー教育の根幹にある「学習に対する精神的な成熟度合い」について言及しました。今回の記事は、シュタイナー教育において固有な「学習と複数の身体意識」について紹介したいと思います。

複数の身体意識構造という表現を分かりやすく述べると、私たちは物質的な身体のみならず、より微細な身体、すなわちエネルギーとしての身体を持ち合わせているという意味です。例えば、私たちにとって馴染み深い、物理的な身体に存在する様々な「つぼ」は、身体に流れるエネルギーと密接に関係し合っています。

言い換えると、物理的な身体は、エネルギーとしての身体と不可分だということです。シュタイナー教育で特異なのは、私たち誰もが持っている複数の身体意識を考慮して、教育体系を築き上げている点です。

もちろん、ピアジェも生物学的な要因と認知的発達を関係付けて説明モデルを構築していましたが、ピアジェは、発達構造内における均衡状態と不均衡状態の動的な運動に認知的発達の要因を見出していました。つまり、ピアジェは生物学的な要素を考慮しつつも、身体エネルギーを認知的な発達要因とみなすことはありませんでした。

それに対して、シュタイナーはより直接的に、身体エネルギー(複数の身体意識構造)と認知的発達との動的な関係について言及しています。端的に述べると、ピアジェと比較して、シュタイナーはより明確に私たちの身体と心との関係を説明し、それらの関係性の下、教育を施すべきであるという思想を持っています。

こうした身体エネルギーは、不可視なものなので容易に信じることは難しいかもしれませんが、重力や磁力を私たちが見ることができず、単にそれらがもたらす影響を知ることができるのと同じように、私たちは身体エネルギーの存在を、先ほど指摘した身体に存在する多様なつぼなどから感じ取ることができます。

これらのシュタイナーの思想は、旧ソ連の心理学者が探求していた「ビオプラズマ」という生命体の周りに存在するとされるエネルギー場理論と関係しています。シュタイナーは、身体の周りに存在するエネルギー体と人間の発達を考察した点でユニークだと言えます。

結論として、シュタイナーはピアジェとは異なる形で心の発達理論を展開し、特に身体の発達・身体ネルギーの発達と認知的な発達を関係づけました。そして、それらの関係性の下、独自の教育理論と教育実践をおこなった点が特徴的です。 質問・コメント・記事の共有をご自由にしていただければ幸いです。

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