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63. 突発的な発達を支える見えない機能


これまで様々な発達論者の研究内容について触れてきました。特に、ダイナミックシステム理論を人間の心の発達研究に適用している理論家を中心に、彼らの功績について紹介してきました。

今までの記事で言及してきませんでしたが、ユタ大学教授アラン・フォーゲルの研究成果を見逃すわけにはいきません。まずフォーゲルが人間の動的な発達現象に関して強調している点は、リアルタイムの行動を分析すると、そこに立ち現れる規則的な行動パターンとその規則性の中に変化を見いだすことができるということです。

もう一点は、ミクロレベルの微小な変化が、マクロレベルの変化を生み出す種となり得るという点です。これまでの発達研究は、発達プロセスを捉えるというよりもむしろ、行動パターンの変化と前と後を比較するという単純な比較研究がおこなわれていたため、上記の2点は、発達研究に新たな視点をもたらしたと言えます。

そうした過去の発達研究アプローチに対して、フォーゲルらダイナミックシステム理論を人間の発達に適用する研究者たちは、発達プロセスの真相に迫るべく、その場で起こっている発達現象をつぶさに観察するという態度を持っています。

こうしたアプローチの下、フォーゲルは、私たちには次の発達段階への移行をスムーズなものとする発達機能を備えていることを明らかにしました。次なる発達段階へ移行することは、私たちにとって大きな跳躍であり、それは突発的なものでもあります。

そうした突発的な発達現象のさなかにあって、私たちがそれに圧倒されたり、心のシステムが破壊されないのは、私たちの心というシステムが「発達の緩衝剤」あるいは、突発的な発達を滑らかなものとして受け止める「発達の潤滑油」のような機能を兼ね備えているからです。

こうした発達の緩衝剤や発達の潤滑油は、私たちに内在的に備わっている一方で、学習過程において発達支援者が意図的に構築し、支援されるものの発達を援助することができます。

もし仮に、突発的な発達を支える見えない機能がうまく働いていなかったり、学習支援者がそうした枠組みを適切に提供できない場合、時に発達は突発的に起こりうるという性質上、発達を遂げようとする者にとって心理的な負荷がかかりすぎたり、トラウマとなってしまう危険性が存在します。

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