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58. 構成主義的アプローチ:デカルト的発達思想・静的構造思想を超えて


身体的システム、心理的システム、社会・文化的なシステムなど、諸々のシステム間に存在する関係性の中で私たちは生きていると主張する構成主義的発達思想は、人間の発達に関して、デカルト的発達思想が見逃してしまった要素に着目することを出発点として誕生しました。

つまり、デカルト的発達思想および静的構造思想が持つ限界点を乗り越える説明モデルを提唱するべく、構成主義的発達思想が生まれたと言えます。人間の知識やスキルというものは、受動的に環境から得られるというわけでもなく、遺伝子から受動的に受け継がれるというものではありません。

そうではなく、私たち人間は、環境や遺伝子からの影響を受けつつも、様々な関係性の中で生きることを通じ、知識やスキルというものを徐々に構築していくのです。私たちは、実際の活動を通じて、社会的・物理的世界に参画し、より複雑高度な知識とスキルを獲得していきます。

このようにして獲得される新たな知識やスキルは、階層構造を持っており、これをカート・フィッシャーは「スキル」と呼んでいます。これまでの記事で強調してきたように、スキルは可変性を持ちながらも、その可変性の中に規則性も備えているという二つの特徴を持っています。

人間は関係性の中で活動する媒介者であり、常に様々な関係性の網に組み込まれながら、さらに新たな関係性の網の目を広げていきます。そして興味深いことに、様々なシステムを媒介して生きている私たちの活動の中に、複雑かつ可変的でありながらも規則性を発見することができます。

もし仮に、こうした可変性と規則性を蔑ろにしてしまったら、私たちは人間の発達が持つ真理に到達できないばかりか、発達に関するさらなる探求を間違った方向に導いてしまうことになるでしょう。 質問・コメント・記事の共有をご自由にしていただければ幸いです。

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