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11036-11045: フローニンゲンからの便り 2023年10月6日(金)



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タイトル一覧

11036. 今朝方の夢

11037. 地球環境問題とサイケデリクス

11038. サイケデリクスツアリズムの問題に対して

11039. カンナビスの栽培を通じての学びと癒し

11040. カンナビスの収穫の立ち会いに期待して

11041. サイケデリクス研究の原体験となった中学1年生の時の体験

11042. ティモシー·リアリーの書籍に関する2つのハプニング

11043. 永遠の哲学の観点からのサイケデリクス研究

11044. サイケデリクス体験を豊かにする案内役としての地図の作成に向けて

11045. 感じ、学ぶためのサイケデリクス/HDSのポールとジェフリー


11036. 今朝方の夢


時刻は午前7時を迎えようとしている。まだこの時間帯では辺りは真っ暗で、夜明けを静かに待っている。今の気温は14度でものすごく寒いわけではないが、室温が少々下がっているので、今朝から上にはヒートテックを着るようになった。いよいよヒートテックが活躍し、湯たんぽが活躍する時期になったのだと実感する。


今朝方は2つほど断片的な夢を見ていた。まず覚えているのは、サッカーW杯の本大会出場に向けた予選を戦っていた場面である。私も日本代表の一員で、これから日本で予選の大一番があった。その試合に勝てば晴れてW杯本大会出場となる大事な試合だった。そのような大事な試合にもかかわらず、こちらのメンバーはベストメンバーではなく、監督の意向であえて少しメンバーを落としていた。それでも相手に勝てるだろうという算段だったし、実際に出場するメンバーたちもやる気に満ちていたのでこの試合は必ず勝てるだろうと思った。いざ試合会場に到着してみると、会場を埋め尽くすサポーターが駆けつけてくれていてとても嬉しく思った。今から彼らの前で試合ができると思うと、私は嬉しくてたまらなかった。ロッカールームで着替えをし、いざピッチに向かう通路に出た時には、程よい緊張感があり、こうした気持ちになれることを嬉しく思いながら、高揚した気持ちでその場にいた。そのような場面があった。


それ以外に覚えているのは、大学時代のゼミの女性友達と一緒に、外国の見慣れないレストランの個室で話をしていたことである。久しぶりに彼女と会って話をするので最初はお互いに何を話したらいいのか少し戸惑っていたが、徐々に打ち解けていき、会話を楽しんだ。途中で沈黙もあったが、その沈黙もまた意味のあるもので、良い時間をお互いに過ごすことができていた。すると突然、そこが実はレストランの個室ではなく、車椅子用のトイレの中であることに気づき少し焦った。そこは確かにスペースが広く、話をするには不便はなかったが、男女が話をするような場所でもなかったので、トイレから出ようと思った。外から誰かがノックしてやって来ないかを心配し、早めにトイレから外に出ようと思ったところで夢から覚めた。


今朝方は確かその他にも夢を見ていたような気がする。上記2つの夢の間に何か夢があったような気がしている。その夢を思い出せないか、今からもう少し回想してみよう。フローニンゲン:2023/10/6(金)07:02


11037. 地球環境問題とサイケデリクス


地球環境問題とサイケデリクスという重要なテーマが自分の内側に現れた。それは、サイケデリクスを通じて自然への目覚めをもたらすという「エコデリック効果」の観点だけではなく、サイケデリクスには生態系に関する問題の重要な点をいくつも含んでいる。


天然系のサイケデリクスと合成系のサイケデリクスの双方がこれから科学的な研究を進めていき、両者に関する規制が変更していくことを願ってやまない。というのも、例えば天然系のサイケデリクスのメスカリンは、ペヨーテやサンペドロといったサボテンから抽出されるのだが、それらの乱獲が問題になっていて、ペヨーテやサンペドロが生態的な危機に陥っている。さらには、5-MeO-DMTは、コロラドリバーヒキガエルから多く分泌され、それを育てることで生計を立てている生産者もいるが、コロラドリバーヒキガエルもまた乱獲の危機に晒されている。それでは合成系のサイケデリクスにはそのような問題がないかというとそうではない。現在MDMAはスケジュール1に分類され、厳しい規制にがんじがらめにされている。そのため、一般企業が製造·販売することはでき、ブラックマーケットでの取り引きのために、その製造·販売プロセスの中で使われる化学物質の廃棄の問題が大きくなっている。本来MDMAは単純な分子構造ゆえに製造もしやすいとのことで、黒胡椒などからでも精製できてしまうらしい。しかし、ブラックマーケットで取り引きされるようなMDMAは、カンボジアの森林を大量に伐採する形で、森林から合成されているようなのだ。それはカンボジアの生態系を破壊する行為であり、ひいては地球規模での環境破壊につながっている。こうした問題について真剣に取り組んでいきたいと思う自分がいる。ちょうどHDSで履修したいと思っているコースの中に、生態学と神学を絡めたコースがあったり、同じ教授(ダン・マカナン)が担当している宗教と地球環境のコースも履修したい。それらのコースの中で、サイケデリクスと生態系について、サイケデリクスと地球環境問題について考察するペーパーを執筆し、それを査読付き論文として発表する形で、サイケデリクスコミュニティーのエコロジカル·アウェアネスを高めることに貢献していきたいと思う。こうした活動を通じて、最終的には規制を整えなければ問題は解決されないであろうから、一刻も早くサイケデリクスが非犯罪化を超えて合法化されるような取り組みに従事していかなければならないと強く思った。フローニンゲン:2023/10/6(金)07:38


11038. サイケデリクスツアリズムの問題に対して


書斎の窓の外を見ると、いつの間にか夜明けを迎えていた。どうやら今日は1日を通して曇りのようだが、日中は雨が降らないとのことで何よりだ。


小鳥たちのさえずりに耳を傾けながら、先ほど考えていたサイケデリクスと地球環境問題について再び考えを巡らせていた。地球環境問題というハイパーオブジェクトに対しては、様々な学問からのアプローチと様々な関係当事者たちの協働が必要になる。自分はサイケデリクスの窓を通じて地球環境問題の解決に向けた取り組みをしていきたいと思う。こうして小鳥たちの優しい鳴き声に耳を傾けていると、自然とそうした思いになる。


地球環境問題以外にも、アヤワスカツアリズムを含めたサイケデリクスツアリズムの問題がある。もちろん南米のシャーマンたちもそれで生計を立てていることもあり、完全にそれを批判することはできない。しかし、先進国の人たちがそうしたツアリズムをすることによって、アヤワスカやペヨーテのセレモニーが単に消費されているような状況にもあるし、逆にそうしたセレモニーを先進国の人々に提供するシャーマンの中には性犯罪を行うものや不当に金銭を巻き上げる者もいるという問題がある。双方の当事者によって生み出されるサイケデリクスツアリズムの問題も、先進国側のサイケデリクスに伴う規制を見直すことは有力な打ち手になるだろう。先進国でサイケデリクスが合法化されれば、先ほど書き留めたように、政府の認可を受けて、品質が伴った形でサイケデリクスの製造·販売ができるようになる。そうなってくると、もはや大半の人たちはわざわざ南米やアフリカのシャーマンのところに出かけていく必要はなく、彼らを搾取することもなく、また彼らに搾取されることもなくなってくるだろう。それでいて、彼らの伝統を守ることにもつながるのではないかと思う。もちろん、先進国でもサイケデリクスが自由に購入·活用できるようになってきたとしても、特殊な環境設定を求めて南米やアフリカのシャーマンのところに行く人たちもいるだろうが、その数は今ほどのものではないだろうと予想される。サイケデリクスツアリズムの問題について考えるためには、「観光学」という学問分野の理論を抑えておく必要があるだろう。この分野にも関心を持ち、そこからどのような規制を先進国で導入するべきなのかを考えていきたい。フローニンゲン:2023/10/6(金)08:15


11039. カンナビスの栽培を通じての学びと癒し


昨夜からカンナビスの栽培方法に関する図鑑のような書籍を読み進めている。写真が豊富で、かつ学術的な記述もたくさんあり、非常に参考になっている。カンナビスの栽培1つ取っても非常に奥が深い領域だと思う。温度調節や光の種類や量、さらには土のpHなど、色々と最適なものが明らかになっていて、自分はまだまだそれらについて無知である。今室内で育ている夏輝からは多くのことを学ばせてもらっている。子育てをするというのはこういうことなのかもしれない。子育てに関する書籍はたくさん出ているが、結局自分で子育てをしてみないとわからないことがたくさんあるのである。夏輝には立派に育ってほしいと常に愛情を持って接しているが、現状の自分の知識では色々と不十分な育て方をしているかもしれない。少なくとも今読んでいる書籍に書かれているような事柄を全て守っているかというとやはりそうではない。今後居住地を変えたとしても、その国の法律でカンナビスの栽培が認められていたら、室内で是非ともカンナビスを育てていきたいと思う。植物を育ていることを通じての学びがあり、そして癒しがある。今月末のボストン旅行の際には、隣人のサハルに夏輝を預かってもらって、定期的に水を与えてもらえるようにお願いしておこうと思う。


HDSの学生がCenter for the Study of World Religionsのスポンサーを受けて、有志で開催している読書会には2つ面白いものがある。1つはMDivの学生のジェフリーとポールが主宰となって開催しているサイケデリクスに関する読書会だ。それともう1つ、植物とキノコの意識について扱っている読書会がある。今回のボストン滞在では、前者の読書会の開催日と滞在日が合致せず、ミーティングには参加できないが、後者の読書会については滞在日と合致しているので、今主催者のナターリアとレイチェルからの返信メールを待っている状態だ。きっと2人からも良き返事を得られるのではないかと思う。いずれにせよ、仮にHDSに進学することができたら引き続きカンナビスを室内で育てたい。


また、ボストン旅行から帰ってきたら、シロシビン·マッシュルームの栽培キットをラジェンドラとサーシャの店で購入する予定で、そこからは夏輝に加えて、シロシビン·マッシュルーム(今のところ「マッシュ」と命名)も栽培してみようと思う。こうして自分の手で育ててみることによって、カンナビスとシロシビン·マッシュルームに対する愛がより深まるだろうし、何よりも栽培を通じて数多くの学びが得られるだろう。そうなってくると、今後は薬理学について深く学びながら、DIY的な形で自分でサイケデリクスを合成したいという思いも出てくる。MITとハーバードの互換コースとしてMITが提供している薬品開発のコースの最終プロジェクトとして、現代の精神病の解決に向けて1つ薬品を合成してみるものがあったので面白く思った。そのようなコースを提供しているあたりにMITの凄さを見るし、新薬の開発が強く求められる現代社会の病の深刻さを見る。フローニンゲン:2023/10/6(金)08:47


11040. カンナビスの収穫の立ち会いに期待して


時刻は午前9時半を迎えた。今朝は足元から冷えている印象だ。もう少ししたら下にもヒートテックを履き、湯たんぽを使うことになる予感がする。


先ほど、カンナビスに関する書籍を2冊ほど読んだ。それを受けて、今後もカンナビスの栽培を楽しんでいきたいと思い、それは趣味と探究·実践活動の1つになるだろうと思った。カンナビスの栽培は非常に奥が深く、カンナビスに関する各種の研究成果についても学術書や論文で絶えず学びを深めたいと思う。持病のアトピー性皮膚炎は幸いにもアメリカでの生活を始めて以降は症状が収まっている。2021年におそらくコロナワクチンの摂取によって免疫系に狂いが生じ、その時に再発したが、今ではもうすっかりと以前の状態のように肌が綺麗になっている。とは言えいつ再発するかわからず、ここからの季節は手荒れなども現れてくるであろうから、それを見越してCBDの免疫調整の働きをうまく活用している。CBDオイルを摂取してから、さらに肌の状態が良くなっていることを実感している。こうした自分ごととしての体験は、科学研究への関心をさらに強めてくれる後押しになっている。


先日、家の外の共同ガーデンを覗いた時に、隣人のマークが育てているカンナビスがとても立派に育っていて驚いた。見事な佇まいでカンナビスが群生している様子は圧巻であり、鼻を近づけてみると、カンナビスの独特の良い香りが漂ってきた。自分が今育てているカンナビスの夏輝はまだまだ収穫には早い段階だが、収穫方法を学んでおきたかったので、マークにテキストメッセージを送り、今度の収穫を見学させてもらうことにした。マーク曰く、ちょうど2週間後に収穫をするとのことであり、その様子を見学するだけではなく、実際に手を動かした方が学びになるであろうから、手伝うことがあれば何か手伝いたいと思う。収穫をした後には乾燥させるフェーズがあり、乾燥方法についてもマークからノウハウを色々と教えてもらいたいと思う。マークはカンナビス栽培の手本になるような存在で、アマチュアながらも知識とノウハウをかなり持っていることが立派に育っているカンナビスが物語っている。フローニンゲン:2023/10/6(金)09:32


11041. サイケデリクス研究の原体験となった中学1年生の時の体験


つい今し方、ヘロインにまつわる国際政治に関して綿密な調査と深い考察を行なっている“The politics of heroin: CIA complicity in the global drug trade (2003)”という書籍を読み終えた。リチャード·ニクソンやジョージ·W·ブッシュが提唱したドラッグ戦争は、危険薬物のグローバル規模での蔓延を冗長する結果となった。その背景や各種の要因に関する論考を受けて、危険薬物のもとになる植物を栽培している生産者や、危険薬物を製造·販売することによってしか生計を立てられない人たちのことを考えると、危険薬物に伴う経済ネットワークを単に解体するのではなく、それを脱構築することが求められるように思う。薬物に伴うブラックマーケットを厳しく取り締まれば取り締まるほど、プレイヤーたちは地下に潜るのである。であれば、例えば彼らに危険薬物を取り扱わせるのではなく、規制を整えた上で、政府の管理下で安全なサイケデリクスを取り扱うようにして彼らの生計を成り立たせるような方法もあるのではないかと思う。日本におけるやくざの問題も同じで、彼らを反社会勢力として社会的に単に抑圧するのは賢明な方法ではない。むしろそれは害悪のある方法でさえあると思う。確かにやくざの生業には社会的に問題のものもあるが、元々は地元や地域を守る役割をやくざは担ってきたという歴史がある。共同体意識が崩壊しつつある現代社会では、その役割は希薄となり、さらには社会的な風当たりの強さから、彼らはある種仕方なく社会的に問題のある商売に手を出さざるを得ない側面があるのではないかと思う。


そのようなことを考えていると、こうして今サイケデリクスという社会の闇に触れる分野の研究と実践をしている自分の原体験のようなエピソードをふと思い出した。中学1年生の冬に、突如手術をすることになり、病院に1週間ほど入院していたことがあった。その時に、同じ病室のベッドの隣に、不思議な呼び方をされている恰幅の良い中年男性がいた。その男性は「親分」と呼ばれていて、中学1年生の私は、最初変わった呼ばれ方をしているなと思っていた。ベッドに横になって、その男性の見舞いに来ていた人たちのと会話を聞いていると、その男性がやくざの親分であることに気づいたのはすぐのことだった。その方のもとにやってくる人たちとの会話は、特に社会的に問題のあることを述べているわけではなく、見舞いにきた人たちの親切心に溢れる内容だった。とは言え、隣にやくざの親分が寝ているということがわかって以降は、少し不安な気持ちもあったが、その親分の子分に対する対応や看護婦さんとのやり取りを耳聞きしていると、怖さは自然と消えていた。そして私が先に退院する際には、その親分は「元気になって良かったね」と優しい言葉を掛けてくれたのである。この体験が当時の自分に何をもたらしたかというと、社会的に悪のレッテルを貼られる人や存在は、実際に自分がその人や対象に直に触れてみるとそうではないこともあるのだことを教えてくれた。むしろ、社会の中で否定的なレッテルを貼られる人にこそ人情や人間の深さを見たような気がしたし、社会的なラベルの裏に真実があるだということを学ばされた。そんな中学1年生の冬の体験をふと思い出し、あの体験が原体験となって、今のサイケデリクス研究を根底から支えてくれているのだと思った。フローニンゲン:2023/10/6(金)10:25


11042. ティモシー·リアリーの書籍に関する2つのハプニング


時刻は午後3時半を迎えようとしている。先ほど買い物から帰ってきた時に、オーナーのフレディさんが敷地内の見慣れない建物の中で工事をしていたので覗いてみた。すると、何やらフレディさんはその場所をリノベーションし、ミーティングスペースに使ったり、貸し出したりする予定で工事を進めているとのことだった。フレディさんはすでに62歳だが、まだまだ若く、毎日体を動かして大工仕事に従事している。今自分が住んでいる場所はかつて農場であり、フレディさんが工事していたのはまさに牛小屋だった場所である。今から100年近く前には実際に牛がいたそうで、そこで牛が飼われていたらしかった。そこからオランダの酪農の歴史に関する話を聞き、自分にとってその場所は考古学的な跡地のように思えたので、色々と掘り出されたものなどを見せてもらっていた。そんな形で少し時間を過ごし、家に戻ってきてからは先ほど受け取った書籍の梱包を紐解いた。


中央市場の帰りに立ち寄った玩具屋で数冊の書籍を受け取ったのだが、そのうちの1冊の梱包の右上の箇所が濡れていた。担当してくれた玩具屋のティム曰く、配送会社のDHLが何かの手違いでクリーナーのような液体をこぼしてしまったようだった。その匂いが漂ってきていたので、「これは毒じゃないよね?」と尋ねたところ、ティムは笑いながら「DHLは毒なんて取り扱ってないよ」と述べた。確かにクリーナーのような匂いであり、毒ではなさそうだったし、中身の書籍の右上辺りにもクリーナーの匂いがするものの、読むには支障がなかったのでそのまま受け取って帰ってきた。


ちなみにその書籍はティモシー·リアリーの“Chaos and Cyber Culture”という書籍である。リアリーはかつて、ヒッピームーブメントやヒューマンポテンシャルムーブメントの火付け役になっていたことから、当時のニクソン大統領から「アメリカで最も危険な男」と呼ばれていたほどである。そんなリアリーの書籍にクリーナーがかけられていたというのは意味深長である。また、先日注文したリアリーの別の書籍もアマゾンオランダから配達されないという出来事があり、新しい書籍を送ってもらえるように先ほどカスタマーサービスのチャットサービスを使っていた。サイケデリクス研究をしていると、本当に面白いことが色々と身に起こる。何か大きな存在の加護があり、導きがあることは確かで、同時にその存在がちょっとしたハプニングを起こしてくれているかのようだ。フローニンゲン:2023/10/6(金)15:36


11043. 永遠の哲学の観点からのサイケデリクス研究


サイケデリクス研究を無数の観点から行なっている中で、今朝方ふと、オルダス·ハクスリーが述べる「永遠の哲学」に改めて注目した。この思想は、もともとはライプニッツが全ての宗教の根幹にあるものを指摘したところから出発している。ハクスリーがこの思想を打ち出した後、ヒューストン·スミスがその思想をさらに深めている。また、フランスのルネ·ゲノンやドイツ系スイス人のフリッチョフ·シュオンも同様の思想を展開している。偶然ながら、今から2年前にもゲノンとシュオンの永遠の哲学思想に関心があり、いくつか書籍を購入していた。その書籍を2階の書斎の中から引っ張り出してきて、今それらの書籍を食い入るように読んでいる。彼らの書籍を2年前に購入していたのはきっと今日の日のためだったのだと思った。今日だけではなく、永遠の哲学の観点からサイケデリクスの内的体験を紐解き、普遍的な「サイケデリック·スピリチャリティ」を提唱するための研究に従事するためだったのだと思わされた。


今後のサイケデリック·セッションにおいては、体験後、永遠の哲学の思想体系を活用して自分の体験を紐解いていこうと思う。また、他者にセッションを提供する際にも、彼らの体験を聞きながら、それを永遠の哲学の枠組みで捉えてみようと思う。個別具体的に豊かな体験をサイケデリクスはもたらすが、同時に人間全てに通底する普遍領域を開示するため、その点については永遠の哲学の用語体系は解釈を豊かなものにしてくれるだろう。


20日の頻度で今後のシロシビン·セッションを行なっていく予定であると昨日書きとどめていた。今後のセッションでは、必ず事前に目的と何を得たいのかを書き出しておきたい。何か人間関係に関する洞察を得たいのか、霊的·実存的な洞察を得たいのか、人生の意味について考察を深めたいのか、世界とは何かに関する理解を深めたいのか、様々な目的がある中で、その日のセッションで最も関心のあることを書き出しておき、その問題意識に導かれる形でシロシビンを摂取する。そして体験後にはまた振り返りを行い、その時には永遠の哲学の枠組みを適用してみようと思う。


他者に対してセッションを提供する際には、自分の役割は単なるシッターではなく、また土着宗教の伝統に則ったシャーマンでもなく、一緒に体験世界に入っていき、その人の体験を導くガイド役なのだという認識を昨日得た。今から10日後に日本からの来客の方にシロシビン·セッションを提供することになっているので、その時にはガイド役として振る舞い、体験後のシェアを聞く際には永遠の哲学の枠組みを持って話を聞きたい。フローニンゲン:2023/10/6(金)16:04


11044. サイケデリクス体験を豊かにする案内役としての地図の作成に向けて


サイケデリクス体験を通じて開示される意識現象に対して、より精密な地図を製作できないだろうか。内面宇宙は外面宇宙と同じく無限の広がりを持つことは承知であり、そして内面宇宙には深さも無限にある。それを踏まえてもなお、サイケデリクスが開示させる意識現象の詳細な地図の製作に向けて乗り出そうとしている自分がいる。ウィルバーもかつて、「自分は地図の製作者である」ということを述べていた。自分に多大な影響を与えたウィルバーの仕事を携えて、そこにさらに先端的な哲学的·科学的·神学的な研究成果を加える形で、とりわけサイケデリクス体験がもたらす意識現象に関する精密·詳細な地図の製作を行いたい。この研究に関しては、自分はできるだけ質的アプローチと文献調査の手法を活用したいと思っている。定量的なアプローチは右上象限の探究には適するが、左上象限の探究にはあまり適しない。象限ごとに最適なアプローチがあることを考えてみた時に、やはりサイケデリクスがもたらす多様な内面現象については質的なアプローチを活用したいと思う。


より詳細な地図が必要になる理由としては、今後サイケデリクスの規制が変更となり、様々な人がそれを摂取するようになった時に、体験の迷路に迷い込まないようにするためである。ある程度の見取り図があれば、通称バッドトリップと呼ばれる事態を避けられるかもしれないし、過酷な体験であってもそれを治癒と変容に変えていくこともできるかもしれない。また、終末医療の現場において、患者の方たちがサイケデリクスを通じて実存的不安と向き合ったり、人生の意味を再度改めて考える際にも、そうした見取り図は有益な存在になるだろう。とにかく人々を幸福にするためのサイケデリクスの活用をもたらし、サイケデリクス体験を豊かにし、体験からさらに豊かな意味を紐解くことを可能にするような案内役としての見取り図を作りたいのである。フリッチョフ·シュオンの論文を読みながら、そのような強い思いが込み上げてきた。フローニンゲン:2023/10/6(金)16:27


11045. 感じ、学ぶためのサイケデリクス/HDSのポールとジェフリー


自己を感じ、世界を感じ、そして学ぶためのサイケデリック体験。それをもたらすサイケデリック·セッション。そのような意味づけがふと生まれた。親友のジョハンが述べるような、「愛するため」という目的までは意味が昇華されていないが、いつか自分もそこまで自己を深め、自分を含めた全存在と宇宙およびリアリティそのものを愛するためにサイケデリック体験を積んでいくようになるかもしれない。いずれにせよ、今自分はそこに続く道をゆっくりと歩み始めている。


先ほどメールを確認したら、HDSのMDivプログラムに在籍しているポールから返信メールがまたあった。嬉しいことに、キャンパスビジット中に会って話を聞いてもらえることになった。すでにいくつかポールには具体的に問うてみたい質問があったので、直接会って話ができるというのは有り難い限りだ。おそらくサイケデリクス研究に情熱を傾けていることが伝わり、仲間意識を持ってもらえたのではないかと思う。いずれにせよ、オープンキャンパスのイベントが終わった後に少し時間を取ってもらって話すことになった。ポールは今、MDivプログラムの3年目に在籍しているらしく、HDSのCenter for the Study of World Religions(CSWR)の研究アシスタントを務めている。彼は今、マサチューセッツ州の病院と提携して、スピリチャルケアの一環としてケタミンを患者に提供するプロジェクトと研究に従事しているらしい。また、シロシビン·マッシュルームをゴードン·ワッソンに紹介したマリア·サビーナについての研究や、神秘体験質問表についての研究、さらには神秘主義に関する哲学的パラダイムについても研究しているようなので色々と話が合いそうであり、意気投合できそうだと会う前から思う。


もう1人のジェフリーも興味深い研究に従事している。ジェフリーはもともとGoogleで働いていたらしく、おそらくその時に意識の目覚めがあってラム·ダスが設立したアシュラムに入り、霊的修行をした後にHDSにやって来たらしい。彼もまたポールと同じくMDivのプログラムに在籍していて、CSWRのリサーチアシスタントを務めている。彼もまたスピリチャルケアの一環として、人生を閉じようとしている終末患者にケタミンのセラピーを提供しているようだ。ジェフリーはヒンドゥー教の研究に焦点を当て、サイケデリック·スピリチュアリティに関心を寄せているようだ。今回はジェフリーと話をする予定はないが、彼の関心や研究にはとても共鳴するものがあるので、HDSに晴れて入学し、自分もCSWRのリサーチアシスタントになって、彼とも協働研究や協働実践ができたらと思う。ポールもジェフリーも大変親切で、彼らとはひょっとしたら長い付き合いになるかもしれない。そんな予感がする。フローニンゲン:2023/10/6(金)20:26

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