【英国エディンバラからお届けする最初の講座】成人発達理論大全(シリーズ5):フローニンゲン学派の発達理論を完全解読!動的システム理論から学ぶ「変化・成長・才能」の発達科学講座
- 8月28日
- 読了時間: 7分

皆さま
夏の終わりが近づき、少しずつ秋の気配を感じる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
9月末からスタートする「成人発達理論大全」シリーズ5について、ご案内をさせていただきます。
今回の講座は、9月26日(土)より開講します。
タイトルは、「成人発達理論大全(シリーズ5):フローニンゲン学派の発達理論を完全解読!動的システム理論から学ぶ「変化・成長・才能」の発達科学講座」です。
これまでの「成人発達理論大全」では、ピアジェ、ロバート・キーガン、スザンヌ・クック=グロイター、カート・フィッシャーをはじめとするさまざまな発達理論を学びながら、「人はどのように成長するのか」という問いを探究してきました。
今回のシリーズ5では、そこからさらに一歩進みます。
私たちが向き合う中心的な問いは、「そもそも、人間の発達とはどのような現象なのか?」というものです。
人間の発達を考えるとき、私たちはつい「低い段階から高い段階へ進む」「能力が徐々に向上する」といった直線的なイメージを抱きがちです。しかし、実際の人間の発達はそれほど整然としていません。
ある日できたことが翌日にはできなくなる。新しい能力が現れる直前には、かえって行動が不安定になる。同じ人でも、状況や相手によってまったく異なる発達水準を示す。長い停滞のあとに、突然大きな変化が訪れる。そして、一見すると「後退」に見える現象が、次の発達への前触れとなることさえあります。
こうした「揺らぎ」を、従来の心理学ではしばしば誤差やノイズとして扱ってきました。ところが、動的システム理論から発達を眺めると、その見方は大きく反転します。
「揺らぎこそ、発達を理解するための重要な情報なのではないか?」
「人間は、内面にあらかじめ用意された発達プログラムを進んでいくのではなく、人・環境・課題・時間の相互作用の中から、その都度新たな秩序を生み出しているのではないか?」
今回の講座では、このような発達観を徹底的に探究します。
中心となるのは、私自身がかつて在籍していたオランダ・フローニンゲン大学を拠点として発展してきた研究群です。
ポール・ヴァン・ギアート(Paul van Geert)、サスキア・クネン(Saskia Kunnen)、ルート・デン・ハータイ(Ruud den Hartigh)、マライン・ファン・ダイク(Marijn van Dijk)らの論文を精読しながら、「動的システムとしての人間発達」を多角的に理解していきます。
今回扱う研究領域は、非常に広範です。
個人内変動、時間尺度、足場かけ、意味形成、アイデンティティ、コミットメント、才能発達、スポーツにおける熟達、心理的モメンタム、レジリエンス、状態空間、多峰性、発達移行――。
一見すると別々に見えるこれらのテーマを貫いているのが、「発達とは、複数の要因が時間の中で相互作用することによって創発する動的なプロセスである」という発想です。
講座で皆さまと共に探究したいのは、たとえば次のような問いです。
発達の「揺らぎ」は、なぜ次なる成長の予兆になり得るのか。
人はなぜ一直線に成長せず、停滞・後退・飛躍を繰り返すのか。
同じ人が、状況によって異なる発達水準を示すのはなぜか。
短期的な対話や経験の積み重ねは、どのように長期的な人格や能力の変化につながるのか。
才能や卓越性は、個人の内側に存在する「資質」なのか、それとも複数の要因の相互作用から創発する現象なのか。
支援者は、人を直接「成長させる」のではなく、発達が生じやすい条件をどのように整えることができるのか。
今回扱う論文には、大学院レベルの理論、数理モデル、統計的方法論も登場しますが、数式を理解すること自体を目的とする講座ではありません。
数式やシミュレーションの背後にある「人間はどのように変化する存在なのか」という思想を丁寧に読み解きながら、コーチング、教育、人材育成、組織開発、スポーツ、そして自分自身の成長に引き寄せて考えていきたいと思います。
これまでのゼミと同様、対話と協働を大切に進めます。論文の重要概念についても毎回丁寧に解説しますので、動的システム理論や数理モデルを初めて学ぶ方も、どうぞ安心してご参加ください。
また、毎回ライブで参加することが難しい方には、アーカイブでご自身のペースで学んでいただくことも可能です。
今回の講座を通じて、これまで学んできた成人発達理論を、さらに動的で、時間的で、生きたものとして捉え直していければと思います。
9月から翌年6月までの約8か月間、皆さまとじっくりと「人間が変わるとはどういうことなのか」を探究できることを、心より楽しみにしております!
⭐️講座(ゼミナール)のお申し込みはこちらよりhttps://yohei-kato.mykajabi.com/fa999c9a-6026-4973-a841-198df95932ef
【コーススケジュール(日本時間21:00-22:30)】
第202回(9/26):変動はノイズか発達のシグナルか――個人内変動を動的システム論から捉え直す
第203回(10/3):発達の変動をどのように可視化するか――生データ・平滑化・変動範囲を捉える
第204回(10/10):発達の変動をどのように測定するか――標準的指標・臨界点・変動分布の分析
第205回(10/17):個人内変動をどのように検証するか――デトレンディング・無作為抽出・ブートストラップ
第206回(10/24):発達を「前の状態から次の状態へ」と説明する――動的システムと標準的発達研究の二つのモデル
第207回(10/31):動的モデルは何に適用されるのか――フローニンゲン学派の発達観と発達尺度
第208回(11/7):短期の相互作用から長期の発達はいかに生まれるのか――複数の時間尺度をつなぐ
第209回(11/14):発達をプロセスとして研究するとはどういうことか――長期ダイナミクス・因果連鎖・方法論
第210回(11/21):足場かけを動的システムとして捉える――学習者と教師の相互適応と社会的に埋め込まれた学習
第211回(11/28):意味形成の発達は何によって駆動されるのか――葛藤・同化・調節と環境からの要求
第212回(12/5):発達理論をどのように数理モデルへ変換するのか――変数・パラメータ・方程式とシミュレーション
第213回(12/12):シミュレーションから発達仮説を生み出す――個人差・集団分布・移行期間をどう説明するか
第214回(12/19):アイデンティティ発達を段階モデルだけで捉えられるか――コミットメントと人間-環境関係からの再検討
第215回(12/26):フィッシャーのスキル理論から発達の多様性を捉える――支援・文脈・変動と動的システム
※1/2は年始のため休講
第216回(1/9):スキル理論をアイデンティティ発達に応用する――課題・支援・感情・発達上限の相互作用
第217回(1/16):コミットメント発達にはどのような軌跡があるのか――アイデンティティ・ステイタスから発達プロセスへ
第218回(1/23):個人ごとの発達軌跡をどのように実証するか――クラスター分析によるコミットメント発達の把握
第219回(1/30):コミットメント発達は心理的成熟とどう関係するのか――幸福感・自我発達・人格・コーピング
第220回(2/6):卓越性は要素の足し算ではなく相互作用から生まれるのか――動的ネットワークによる才能発達の再構成
第221回(2/13):卓越性の発達をどのようにシミュレーションするか――個人固有の発達軌跡と卓越した成果の分布
第222回(2/20):才能発達はなぜ一人ひとり異なるのか――スポーツにおける動的ネットワークと非線形な発達軌跡
第223回(2/27):熟達者は試合をどのように見ているのか――スキル理論から捉えるサッカーのリアルタイム表象
第224回(3/6):チームの「勢い」はどのように変化するのか――ポジティブ/ネガティブ・モメンタムの心理と行動のダイナミクス
第225回(3/13):熟達した運動にはどのような「揺らぎ」が現れるのか――ピンクノイズと複雑な運動システム
第226回(3/20):心理的モメンタムは複数の時間尺度でどうつながるのか――試合内の変化と試合をまたぐ発達
第227回(3/27):心理的レジリエンスとは何か――抵抗・回復・成長を区別し、発達プロセスとして捉える
第228回(4/3):発達の「揺らぎ」をどう読むか――個人の時系列データから変化の兆候を捉える
第229回(4/10):発達的変動をどのように数量化するか――方略の多様性・変動範囲・パフォーマンスのピーク
第230回(4/17):発達するシステムの相互作用をどう可視化するか――State Space Gridと個人内変動の統合的分析
第231回(4/24):ピアジェとヴィゴツキーを動的システム論で統合する――同化・調節と最近接発達領域から発達機構を捉える
第232回(5/1):発達を動的システムとして形式化する――発達距離・内的/外的システム・実際水準と潜在水準
第233回(5/8):発達はいかに更新されるのか――重み・潜在水準・環境入力から変化のメカニズムを構成する
第234回(5/15):発達は連続か不連続か――多次元性・変動・相転移から発達の多様な軌跡を説明する
第235回(5/22):発達段階はいかに自己組織化するのか――段階・飛躍・フラクタル・移行現象を動的に捉える
第236回(5/29):一般的段階から領域固有の変化へ――二状態モデルと認知方略の多峰性
第237回(6/5):移行期の変動は何を意味するのか――多峰性・退行・マイクロ発達から動的発達理論を総括する
⭐️講座の期間は、2026年9月26日から2027年6月5日までのおよそ8か月間です。講座終了後、そのタイミングでゼミナールをご退会いただくことも、その後の講座へ継続してご参加いただくこともできます。
⭐️ご参加いただいた日から、過去のゼミナール講座のアーカイブ動画もご視聴いただけます。
⭐️講座(ゼミナール)のお申し込みはこちらよりhttps://yohei-kato.mykajabi.com/fa999c9a-6026-4973-a841-198df95932ef


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