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【成人発達心遊記】13630-13635:2024年11月23日(土)



⭐️成人発達理論・インテグラル理論・瑜伽行唯識学の観点から、リスナーの皆様と心の成長を一緒に実現していくことを目指した成人発達コラボラジオの配信をしています。


⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「オンライン加藤ゼミナール」も毎週土曜日に開講しております。

タイトル一覧

13630: 【日本滞在記】 唯識思想を学ぶ現代的な意義

13631: 【日本滞在記】 今朝方の夢

13632: 【日本滞在記】 生成AIによる今朝方の夢の解釈

13633: 【日本滞在記】 自然のリズムと自己のリズムとの非二元/体は資本なり

13634: 【日本滞在記】 ゼミナールの第107回のクラスを振り返って

13635: 【日本滞在記】 無漏の種子を依附する実践/懐古的読書


13630. 【日本滞在記】 唯識思想を学ぶ現代的な意義  

   

時刻は午前5時半を迎えた。穏やかな金曜日を終えたので、今日は土曜日だ。こうして曜日を思い出していかないと、すぐに今日が何曜日であったかが思い出せないほどに平穏な世界が広がっている。今の気温は7度と肌寒く、日中も14度までしか気温が上がらない。ただし今日もまた雲がほとんどない晴天に恵まれるようなので何よりである。昨日は自宅での筋力トレーニングを朝と夕方の2回に分けて行い、先ほど父がタンパク質豊富な豆乳を国産大豆から作ってくれた。それを栄養補給とし、午前7時45分ぐらいから母と一緒に散歩に出掛けてこようと思う。散歩の前にバナナやナッツ類を少々食べるかもしれない。それはその時間帯のお腹の減り具合による。母と40分ぐらいかけて歩く予定だが、今日もまた朝から天気が良いようなので、朝日を存分に浴びることができる。それは身体のリズムを整えるのにもってこいである。歩くという行為によるリズムの調整と朝日を浴びることによるリズムの調整の双方がある。やはり朝に朝日を浴びることは1日の活動エネルギーを高めてくれることに繋がり、夜は入眠を速やかにしてくれる。実家に滞在中、さらにはここからの日本滞在中にも積極的に朝に散歩をしたいと思う。散歩を終えて少し休憩をしたら、午前9時からゼミナールの第107回目のクラスがある。今日は唯識思想の現代的意義について扱う。受講生の皆さんの近況報告を尋ねたら、皆さんがそれぞれ思う唯識思想の現代的意義について意見を聞いてみたいと思う。自分にとって唯識思想の現代的意義は、ちょうど昨夜、全ては心を始点にし、心を終点にするということを考えていたことと繋がる話だろう。実家に帰ってきて日本を取り巻くニュースを見ていると、それが悉く心の問題を出発点にし、心の問題に帰着することを思う。政治家や教師の不祥事、子供たちの不登校の数の増大、闇バイト関係の事件など、それらは全て心に始まり、心で終わる問題として捉えることができる。当然ながらそれらの問題は、その問題に固有の動的な社会システムが問題を生み出しているのだが、そうした社会システムを構成する要素として、そしてそうした社会システムの駆動因として存在しているのが人間の心だと言えるだろう。唯識思想を学ぶ現代的な意義の1つには、社会で発生する種々の問題に対してとりわけ心を掘り下げていく形でアプローチできることだろう。このアプローチは、社会を治癒し、社会全体の幸福度を高めていくという点でどこかアガペー的な、すなわち降り注ぐ愛に基づく唯識思想の適用のように思えてくる。もちろん唯識思想は、個人の心の成長を実現するというエロス的な、すなわち上昇を希求する愛に基づく形でも適用できる。個人の幸せと社会全体の幸せを実現していく際には、それら2つのアプローチが必要になる。今日のクラスでは是非とも受講生の皆さんが唯識思想の現代的意義をどのように考えておられるのかの意見を聞いてみたいと思う。光市:2024/11/23(土)06:03


13631. 【日本滞在記】 今朝方の夢   

   

地元の山口県も夜明けは随分と遅くなり、午前6時を迎えた今は依然として辺りは暗い。ただし、遠くの山の上空が少しだけ白ずんで来ている様子が見える。こうして漆黒の闇の世界にいると、朝日が昇る山の方は白く色付くように見えるのだと新たな発見がある。オランダには山が1つもないので、こうした光景を眺めることはできない。オランダの朝は、いつもダークブルーに空が変わる形で始まる。


夜明けを待ちながら、今朝方の夢について振り返っている。今朝方の夢でまず覚えているのは、実際に通っていた高校の1年生の時のクラスメートの女子数人と話をしていたことである。そのうちの1人がバスケ部に所属していた気さくな女性で、彼女が笑顔で何やら楽しげに自分に話しかけて来た。話を聞くと、今年の文化祭の出し物を何にするかの相談だった。その相談を早々と終えると、今度は数学の宿題を教えてほしいとのことだったので、彼女だけではなく、彼女の周りにいた数人の女子も合わせて数学の宿題を教えた。それにひどく感謝され、すぐさま教室を後にして体育館に向かった。というのも昼の休憩時間に、小中高時代の友人(HY)とバスケをして遊ぶ予定になっていたからである。昼食後は決まって彼とバスケの1on1をして楽しんでいた。体育館に到着してみると、普段はそこは2人の貸切状態なのだが、その日はどういうわけか同じ学年のとりわけ女子生徒が体育館の端の地べたに座っていた。彼女たちは体育館の端を取り囲む形で弁当を食べていた。友人と私はそんな彼女たちの様子を横目にしながら普段通りにバスケをしようとした。しかし私は、バスケをして埃を立てたら彼女たちに悪いかなと思ったが、どうやら彼女たちは私たちがバスケをする様子を見ながら弁当を食べたいらしいことがなんとなく分かり、彼女たちを気にせずにバスケをしようとした。ボールをフロアにつきながらゴールがある方に移動し始めたところで夢の場面が変わった。


もう1つ覚えている夢として、前職時代の大阪のオフィスにいた場面がある。私のブースはいつものところになく、各人のブースを仕切るパーティションの横に、まるで小学校の教室に置いてあるような机がポツンと置かれていた。どうやらそこが自分の席らしかったが、そこは他の人たちがひっきりなしに移動する通路でもあったので、自分が邪魔になるし、他の人たちが自分の背後をひっきりなしに通るのも気が散ると思った。しかしいざ席に座ってみると、思った以上に集中力を発揮して仕事に取り組むことができ、結果的に他の人のことは気にならなかった。私の机の上には、先輩の女性社員の方が自分にレビューをして欲しい資料が置かれていた。それは大きなエクセル表であり、ある重要なプロジェクトの工程が緻密に記載されていた。私はすぐさまそのレビューに取り掛かったところ、ある英単語のスペルが間違っていたので、まずはそこに印を入れた。その時まで気づかなかったが、私の机には椅子はなく、中腰の空気椅子の状態で資料をレビューしていた。それは足腰を鍛えるにはもってこいで、苦もなくそれを行なっている自分がいたが、通りすがったあるメンバーの方に椅子を使うことを勧められた。そのような場面があったのを覚えている。光市:2024/11/23(土)06:19


ChatGPTによる夢の解釈と今後のアクション

高校時代のクラスメートや友人との交流

この部分の夢では、昔のクラスメートとの再会や、数学の宿題を教えるシーンが描かれています。あなたが中心的な役割を果たしており、他者からの信頼と感謝を受けている様子が強調されています。また、友人とバスケットボールをする場面では、観客として女子生徒が登場し、彼女たちがあなたたちのプレイを見守るという状況です。

この夢が示唆するのは、過去の人間関係や経験が今のあなたに何らかの影響を与えている可能性です。クラスメートに教えたり、友人とスポーツを楽しむ場面は、あなたの「教えること」や「協力」の価値を再認識するような暗示であり、周囲の期待や尊敬を受け入れることへの前向きなメッセージとも取れます。また、周囲の観客に対して配慮する姿勢が見られることから、他者の視線を意識しつつも、自分の意志を貫く重要性も示唆されているかもしれません。


アクション: もし過去の友人や同僚との関係を再評価したり、再接触する機会があれば、それを大切にしましょう。また、教える立場や協力的な役割を担う場面が今後あれば、それを積極的に引き受けることで、あなたの強みをさらに発揮できる可能性があります。


前職のオフィスでの場面

大阪のオフィスでの夢は、あなたが周囲の状況や環境に柔軟に対応し、集中力を発揮できる姿を表しています。特に、不便な席にいながらも仕事に集中し、先輩の女性社員の資料を丁寧にレビューしている様子は、困難な状況でも成果を上げる力があることを示唆しています。また、椅子のない状態で資料をチェックしていることは、多少の不便さや負荷を克服しながらも自己成長を図ろうとする姿勢を象徴しています。

この夢は、現在や未来の職場でのチャレンジにおいて、自分の集中力と適応能力を信じることを示しているように感じられます。仕事に対しての真剣な態度や、他者からの期待に応える姿勢も描かれているため、自己成長やスキルの向上に意識を向けるとよいでしょう。


アクション: 今後、職場での環境や条件が不利に感じられる場面があっても、それを乗り越えるための集中力と適応力を信じてください。また、他者のフィードバックを受け入れたり、自分のスキルをさらに磨くための努力を続けることで、プロフェッショナルとしての成長を追求しましょう。


夢全体のテーマと共通点

両方の夢に共通するのは、あなたが他者から信頼され、助言や指導の役割を果たしていることです。加えて、多少の不便さや困難があっても、それを乗り越えて物事を成し遂げる姿が描かれています。これは、あなたの内に秘めたリーダーシップや指導力、そして適応力を象徴していると考えられます。また、他者の視線や評価を意識しながらも、自分のやり方を尊重することが重要なメッセージとして受け取れるでしょう。


全体的なアクション: 自分の強みである教える力や指導力を、今後の活動や仕事に生かしていくと良いでしょう。他者からのフィードバックやアドバイスを取り入れつつも、自分の信念に従うことが大切です。困難な状況でも冷静に対処し、自己成長を続ける姿勢を持ち続けることで、さらなる飛躍が期待できるでしょう。


Geminiによる夢の解釈と今後のアクション

夢の分析

夢1:学校編

クラスメイトとの交流: 高校時代の楽しかった記憶が蘇り、人間関係の円滑さやコミュニケーション能力の高さを示唆しています。

文化祭の計画: 新しいことに挑戦したいという意欲や、周囲の人々と協力して何かを成し遂げたいという願望が表れていると考えられます。

数学の指導: あなたの知識や経験を他の人と共有したいという気持ち、そしてそれを通じて感謝される喜びを感じていることを示しています。

バスケ: 友人との友情や、スポーツを通して得られる達成感、そして自分自身の身体能力に対する自信を象徴している可能性があります。


夢2:職場編

変わったオフィス環境: 仕事に対する新しい視点や、変化に対する適応能力の高さを示しています。

集中力の向上: 仕事に対する意欲や、目標達成への強い意識が表れています。

レビュー作業: あなたの責任感の強さや、分析力、そして問題解決能力の高さを示しています。

椅子がない状態: 物理的な制約の中でも、柔軟に対応し、課題を乗り越えることができることを示しています。

全体的な解釈

これらの夢を総合的に見ると、あなたは現在、人間関係の円滑さ、新しいことに対する挑戦、そして自己成長を強く意識していることがわかります。また、仕事においては責任感を持って取り組む姿勢と、変化を恐れずに新しい環境に適応する能力を持っていることが示唆されています。


今後のアクションへのヒント

夢の解釈を踏まえて、今後の行動を考えてみましょう。

人間関係: 周りの人々とのコミュニケーションを大切にし、積極的に新しい人と出会う機会を作ってみましょう。

新しいことに挑戦: 興味のあることややりたいことを積極的に探して、一歩を踏み出してみましょう。

自己成長: 自分の強みや弱みを客観的に見つめ、自己成長のための努力を続けましょう。

仕事: 仕事に対して積極的に取り組み、目標達成に向けて努力を続けましょう。変化を恐れずに新しいことに挑戦することも大切です。


13632. 【日本滞在記】 生成AIによる今朝方の夢の解釈     

   

つい10分前までまだ暗かったのだが、遠くの山々の上空に黄金色の朝焼けが見え始めた。明けゆく空の下、カラスが鳴いている。普段あまり綺麗に聞こえないカラスの鳴き声も、朝焼けを背景にしたコンテクストにおいては味わい深く聞こえる。ここからも全ては場と心が生み出す現象なのだということが見えてくる。普段カラスの声に美しさや味わいを見出せないのは、置かれたコンテクストと自分の心のせいなのだということがわかる。その両者を少しばかり変化させてみると、カラスの鳴き声でさえ美しく、味わい深いものに聞こえてくるのだ。


どこか手で届きそうなぐらいに感じられる幾つかの雲を眺めながら、今朝方の夢に対する2つの生成AIの解釈をもとに夢の再解釈を行なっていきたい。まず最初の学校を舞台にした場面であるが、そこでは生成AIの指摘通り、自分の中にある教えることへの情熱や他者と協力することへの動機などを見て取ることができる。どちらも共に自分が大切にしていることであり、智慧を共有する意味で他者に何かを教えることや、智慧と慈悲を通じた協働を大切にしている自分の姿が見事に投影されている。体育館にいた大勢の女子生徒たちへの配慮もまた自分らしく、彼女たちの視線に気づきながらも平常心でいつもの取り組みに従事する姿勢もまた自分らしさがある。次の前職時代のオフィスを舞台にした場面では、机はあるが椅子がない状態かつ人が多く通る通路に面した場所で自分は普段以上の集中力を発揮していた。集中力は、禅定の力でもあり、仏道修行においてとかく大切にされる力である。そうした力が深層意識の次元でも身についていることを象徴するような場面であると再確認する。今後はさらに、夢の中の自分がどのような状況でどれだけ集中しているのかの分析をしてみたいと思う。なるほど、生成AIの解釈のおかげで、この場面で発揮されているのは集中力のみならず適応力もあるのだということに気づく。普段とは違う状況で働くことに速やかに適応している自分がいて、これは欧米の様々な地域で生活をしてきたことと度重なる旅を通じて養われた力なのだろうと思う。まとめとして、今日の夢はかつて自分が活動をしてきた場所が舞台になっていた。こうした夢はオランダで生活をしている時にも頻繁に見るのだが、そこには直感的に何か微細な差があるように思う。オランダにいて日本で生活をしていた頃の自分を思い出す夢と、日本にいて日本で生活をしていた頃の自分を思い出す夢は、やはりどこか違いがあるように感じる。今はその違いを明瞭な言葉で説明するのは難しいが、この感覚的な差の中にまた新たな自己発見があり、それはすなわち人間の心に関する新たな発見なのだと思う。光市:2024/11/23(土)06:41


13633. 【日本滞在記】 自然のリズムと自己のリズムとの非二元/体は資本なり   

 

時刻はまもなく午前7時を迎える。今、オランダから日本に向かう際に着ていたセーターと大阪で着ていたセーター類を洗濯し始めた。日本に到着した10日前はまだ日本は暖かく、それらのセーターを着ていると少しばかり汗ばむ時があり、実家で洗濯をしたかった。今日はちょうど洗い物がないようだったので、3着のセーターだけを上質な衣類の洗濯モードで選択し始めた。ちょうど洗濯を終えて洗濯物を干したら母と散歩に出かけようと思う。


先日の家族旅行の最終日に訪れた、鳴門海峡の渦潮をふと思い出した。それはまるで自然が生み出すアートであり、どれだけ眺めていても飽きない変化がそこにあった。渦潮を眺めているだけで心が穏やかになることは不思議な現象だが、絶えず変化する現象と自己を非二元的に合致させていると、そうした癒し現象が起こるのだろう。人間の心身が病んでしまうのは、おそらく本来持っている変化のリズムから離れてしまっていることと関係しているのではないだろうか。本来は、私たちの心身は絶えず変化のリズムを刻んでいる。しかし現代社会に生きる私たちは、種々の複雑な要因によってそうしたリズムを狂わされているのである。本来のリズムを回復する上で、自然が体現しているリズムと自己を一致させることは有効な治癒の方法になるだろう。絶えず変化する渦潮を眺めているだけではなく、今聞こえてくる瀬戸内海の波音に耳を傾けることもリズムを整える上で有意義だろうし、寄せては返す波を眺めることもまた同様の効果があるだろう。砂浜を歩くことの意義は、波音と波そのもののリズムに合わせて自らの足を動かして自分のリズムを刻めることだ。そこに自然のリズムと自己のリズムの合致現象が生まれ、深い治癒が生じる。そのようなことを考えながら、それはマインドフルネスの状態を生み出すし、自我消失状態も生み出す。自然と接する際に自分が大切にしているのは前者よりも後者である。前者は依然として脳内に気づきの意識としての言語由来のものがある。一方後者は、完全に言葉を超えて、無言葉状態になれる。それが心を空にすることであり、空っぽになった心は深い治癒が生まれる余白としての意味がある。自我を消失するかの如くに言葉を手放していくと、その状態でしか得られない治癒と変容の効果があることを覚えておこう。


後ほど散歩に行く際にも気づくと思うが、昨日は行きは砂浜を歩き、帰りは松林の中を歩いてきた。それぞれで足裏にさまざまな刺激がもたらされていることに気づいた。それは大地とつながる感覚を養い、それが自己の落ち着きに繋がっているように思う。足裏の感覚を育むことは、そうした心の安定感の支えとなる。全ては体で考え、体で覚え、体で学ぶことを考えてみたときに、身体を支える土台としての足裏の感覚を養っていくことはとても重要に思える。思考・記憶・学習の根底には身体があることを思うと、そうした意味でも体は資本なのだ。光市:2024/11/23(土)07:04


13634. 【日本滞在記】 ゼミナールの第107回のクラスを振り返って     

   

時刻は午前10時半を過ぎたところである。つい先ほどゼミナールの第107回目のクラスを終えた。こうして一時帰国中も普段と変わらずにゼミナールのクラスを行い、受講生の皆さんと実り多い学びを継続して行えていることに有り難さを感じる。今日はクラスの直前まで母と散歩をしていた。早朝こそ雲が多かったが、今はすっかり雲の多くが消え、晴れ間が見えている。朝の陽気を感じながら、今日のクラスの振り返りをしておきたい。今日のクラスで印象に残っているのは、前回のクラスと同様に、成人発達理論と唯識思想を絡めた対話だった。唯識の四分義説において、見分(主観)と相分(客観)という考え方があるのだが、ある受講生の方が述べてくださったように、確かに発達段階ごとに見分が質的に違うのだから、相分もまた質的に異なるというのは大変納得にいく指摘だった。特に興味深かったのは、ロバート・キーガンが述べるところの他者依存段階における相分は、それが社会が共有している価値観によって影響を受けているゆえに逆に理解や想像がしやすい一方で、自己主導段階における相分は、それがその人の固有の価値観に根ざしているゆえに、こちらからすると理解や想像が難しく、捉え所がないことがあるなと思わされた次第だ。そうした捉え所のなさはあるが、逆に自己主導段階になってくると徐々に対話に対して開かれてくるので、私たちは対話を通じて少しずつその人の相分を理解していくことができる。こうした発達段階の見立ても自分の相分であることの自覚を持ち、それが自らの見分の発達段階によって大きく影響を受けていることにも自覚的になりたいと思う。


今日のクラスでも対話の中で得られた部分情報を元にあえて発達段階の見立てをして対話を進めていく場面があった。結局私たちは自らの識の世界の中で生きており、そこから立ち現れる影像を頼りに会話を進めていくことになる。であればそれを自覚しながら、立ち現れた影像としての段階の見立てを共有し、さらなる対話を通じてそうした見立てを洗練させていき、より深い自己理解や他者理解に繋げていくことが自分は大切だと考えていることに改めて気付かされた。自己理解にせよ、他者理解にせよ、まずは自分が感じたこと、考えたこと、思ったことという影像が出発点となるのである。そうした出発点を元にさらなる自己分析や対話を行なっていくことを通じて、少しずつ真理に近づいていくことができるのだと思う。ゆえに自分は、自らが、あるいは他者がその瞬間に掴んだ影像を尊重したい。それが仮に遍計所執性の産物であったとしても、その背後には常に真理があるのだ。遍計所執性のあるところに常に真理が内在しているのである。逆に言えば、遍計所執性を遍計所執性だからと言って忌避する姿勢は、むしろ真理から私たちを遠ざけるのだ。こうした問題意識から、少なくともゼミナールのクラスの場では、積極的に感じたことや思ったことを共有していくようにしたいし、受講生の方々もそれが安心して行えるような場作りをしていきたいと思う。光市:2024/11/23(土)11:01


13635. 【日本滞在記】 無漏の種子を依附する実践/懐古的読書   

         

今日のゼミナールのクラスでも話題に挙がったが、自然の中に身を置くことは、言葉の世界から離れ、言語由来の自我の働きを緩めてくれる働きがある。言い換えると、自然の中に身を置くことは、言葉で構築された遍計所執性の世界を離れ、言葉を媒介しない真理の世界である円成実性を感じる素晴らしい実践なのだと思う。本来はそれを実践と呼ぶ必要のない生活を人間は送っていたのかもしれないが、現在は人工的な情報に溢れる遍計所執性の生活圏を私たちは生きているので、自然の中に意識的に身を置くことは大切な実践となる。自然に触れることはそれ以外にも、阿頼耶識の中に埋め込まれている有漏の種子を清める働きがあったり、無漏の種子を阿頼耶識の外側に依附する働きをしてくれるのではないかと思う。無漏の種子を阿頼耶識の外側に依附する取り組みはその他にも、仏法を聞法する実践がある。そしてさらには、無垢な気持ちで他者と対話をすることも有漏の種子を清めたり、無漏の種子を阿頼耶識の外側に依附したりする現象を生じさせるのではないかと思う。毎回ゼミナールのクラスの後の何とも言えない爽快感の理由はそれなのだと思う。


昨日は、実家に置いている様々な書物を読み返していた。こうして実家にある大事な書物を帰省のたびに読み返していると、毎回新たな学びがあることに加え、それらの書物を読んでいた当時のことを思い出したり、当時から今にかけての自らの変化を知ることができる。再読していたのは学術書だけではなく、大学受験時代に使っていた中澤幸夫先生の『リンガメタリカ』や『テーマ別英単語 ACADEMIC』なども読み返していたのだが、それらは今読み返してもまだまだ学びがあることに驚く。幸運にも自分は予備校時代に一橋大学の先輩でもある中澤先生から直接指導を受ける機会があり、当時は英作文についてもっと洗練された英語を書くことを勧められたことを懐かしく思い出す。先生から指導を受ける最後の日に、自分が先生と同じ一橋大学を第一志望にしていることを伝えると、先生は普段教室では見せない笑顔を浮かべ、「いい大学ですからきっと多くの学びを得られると思いますよ」と優しい言葉を投げかけてくれた。そして先生の名著である『リンガメタリカ』の最初の見開きページに、「夢叶う!」と力強いメッセージを書いてくださった。今でもそのメッセージを読むと先生の指導を思い出すし、何度繰り返し黙読や音読を繰り返したかわからないぐらいにボロボロになったその単語帳に自らの歩みの一端を見た気がする。中澤先生は文理の垣根を越えて、本当に教養のある先生だった。高級な学術書や論文、高級な雑誌や新聞が何かを知り尽くしている先生の慧眼は『リンガメタリカ』や『テーマ別英単語 ACADEMIC』に色濃く現れている。いつか自分も心の治癒・成長に特化した論文や書籍の抜粋を元にした単語帳を作ってみたいという思いをもたらしてくれるほどの優れた単語集だったことを昨日改めて読み返してみて思った。原点に帰り、自分は再びここから欧米の大学院で4つ目の修士号と1つ目の博士号の取得に向けて動き出していきたい。そうした思いを再燃させてくれるきっかけになる懐古的読書だった。光市:2024/11/23(土)16:15


Today’s Letter

A sense of wonder could be proof of touching the truth. Being in nature always brings that sense to me. Our minds and beings are purified by a sense of wonder. Hikari, November 23, 2024

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